と悩んでいる初任の先生は多いのではないでしょうか。
そんな先生の中には
「耐えられない自分はダメな人間なんだ!」
「うまくやれない自分は能力がないんだ!」
「もっと忍耐強く我慢しなきゃ!」
と自分を責めてしまう人も多くいるでしょう。
しかし、ここで断言しておきます!
決してあなたは悪くない!
そこで今回は、なぜ初任の先生が苦しんでしまうのかについて解説していきます。
後半には、初任者限定のオススメな対処方法(転職方法)についても紹介します!
それではまいりましょう!
- 苦しく感じてしまう理由がわかり心が軽くなる
- 学校の悲惨な現状がわかる
- 初任者にオススメな対処方法(転職方法)がわかる
初任者が「先生辞めたい」と悩むのは当然な理由
学生時代に教員免許を取得し、教員採用試験を突破して、やっとの思いで教員という職業についたのにも関わらず、毎年一年を待たずして依願退職する教員が後を立ちません。
この現状をみてもわかるように、あなたが「辞めたい」と思ってしまうのは決して個人に起因した問題ではないのです。
あなたも心のどこかで「毎日辛い・・・」と感じていませんか?
では、一体どんなところに問題があるのでしょうか。その原因を深堀りしていきましょう。
今回解説していく「先生が苦しむ主な理由」はこちら↓
です。
一つひとつ詳しくみていきましょう。
劣悪な新人育成システム
他の企業と比べて教員の新人育成は完全に失敗していると言えます。
一般企業では、OJT(On the Job Training)という新人育成のシステムがあり
- 「やってみせる(Show)」
- 「説明する(Tell)」
- 「やらせてみる(Do)」
- 「確認・追加指導(Check)」
という4段階のステップで行われることが一般的です。
しかし、教員はどうでしょうか・・・↓
😥いきなり担任(何も教わっていないのに・・・)
😥強制的な研修(ただでさえ忙しいのに・・・)
です。
一つひとつ詳しくみていきましょう。
初任者にいきなり担任をさせる狂気的なシステム
まず一番の問題は、教員として学校に配属されると「はい、あなたは○年○組の担任です」といきなり担任を任されてしまうことです。
子どもたちや保護者からも「この先生大丈夫かな?」「こんなことも知らないの?」と下に見られてしまうのも当然です。
そんな一寸先の見えない暗闇の中を、針のむしろになりながら進んで行かなきゃいけないのですから、そりゃ精神が崩壊するのは当然です。
どれだけ働いても働いても「安心して働ける境地」に辿り着くのはほぼ不可能と言えるでしょう。
重くのしかかる研修制度
そんなギリギリな状況の中、重くのしかかってくるのが初任者研修です。
本来、研修自体はありがたいものなのですが、時間的にも精神的にも限界を迎えている初任者に課せられる研修は拷問に近いものがあります。
などなど、初任者の肩に様々な負担が重くのしかかってきます。
学校組織に残る古い価値観
AI、ビッグデータ、IoTが当たり前の時代に突入し「スピード」「変化」がより一層重要視されるようになった現代において、学校という組織には未だに昭和の価値観やシステムが強く残っているのが現状です。
そんな「時代と職場の価値観とのギャップ」に違和感を感じる若手が増えてきているのです。
中でも
は今の若者を特に苦しめる元凶になっています。
その理由を申し少し深堀りしていきましょう。
年功序列(成果よりも年齢が重視される)
トヨタの社長が
「終身雇用を守っていくのは難しい局面に入ってきた」
と発言したり、
サントリーホールディングスの社長が
「定年を45歳に引き下げてはどうか」
と提唱したりするなど
時代はもう年功序列を基盤にした社会ではなくなっています。
それにも関わらず、いつまでも高度経済成長期に醸成された昭和の体制を変えないのが教員の世界です。
いくら若手が頑張って成果を上げても、「年齢」には勝てないのです。
つまり、自分のキャリアを形成していくためには「辛抱強く」何年もかけて一歩一歩登っていくしかありません。しかも、年齢を武器にふんぞりかえっている年配者の顔色を伺いながら・・・。
一方、教員以外の世の中は、どのジャンルでもDX化が進み、インターネットネイティブである若者が活躍しやすい世界になっています。
また、年功序列を廃止し、成果報酬型をバンバン取り入れている企業が多く、若くして高い報酬を実現させる人もどんどん出てきています。
そう、若者が先生の世界で苦しむのは当然なのです!
同調圧力(新しいことを拒絶する価値観)
「特別なことをされると困る」「合わせてくれないと困る」というように、教員の世界では「同調」することを過度に強いられます。
細かいベテランの中には、宿題の出し方はもちろんのこと、朝の会のやり方から掲示物の貼り方まで事細かく”合わせるように”指示されます。
「こうすると効果的だよ」程度の参考例のような扱いならば、初任者の先生もありがたいと思うのですが、厳密なルールになってしまうと、身動き一つとれなくなり、苦しい思いをしてしまうのも当然です。
指摘されないように、突っ込まれないように初任の先生も必死なのです。
そんな毎日苦しくて当たり前です。
心理的安全が欠如した管理し合う組織体制
良い組織といえば、共通目標に向かって高い成果を上げるために、お互いの強みを活かしながら協働し合うものです。
しかし、教員の世界はそうなってはいません。
職員室では
「あの先生の指導はよくないよね」
「○○先生のクラスの子たちやばいよね」
「○○級は学級崩壊しそうじゃない」
というようなお互いを監視し合うような言葉で溢れています。
そうなると、「少しでも負の側面を隠さなきゃ!」「学級崩壊しそうなんてレッテル貼られたくない!」と必死になってしまいます。
そこには、心理的安全なんて言葉は存在しません。
心理的安全が担保できていないところで楽しく仕事なんて不可能です。
理想の教育とは程遠い学校体制
もう過去のものとなってしまったかもしれませんが
学校の先生という職業のイメージといえば
⭐️子どもたちの成長に貢献できる素敵な職業
⭐️子どもたちと毎日楽しく笑顔で関わりあえる素敵な職業
⭐️社会的にも信頼される素敵な職業
というキラキラしたイメージがあります。(「ありました」かな?)
しかし、実際に教員になってみるとそんなキラキラした理想は一瞬にして崩れ去ります。
その理由についてみていきましょう。
クラスの人数が多すぎる
まず上げられるのが「クラスの人数が多すぎる問題」です。
子どもたちに寄り添った理想の教育像はそこには微塵もありません。
また、子どもの数だけ保護者もいるわけで、そんな理想と現実とのギャップから初任の先生のメンタルはズタボロになるのです。(もちろん初任者だけに限りませんが)
つまり、そんな過酷な状況下で働いていたら、辛いくなるのは当たり前なのです。
ベルトコンベアー式の教育システム
では、人数が多すぎて、一人ひとりと向き合えない教育現場ではどのような教育が行われているのでしょうか。
答えは
ベルトコンベアー式教育です。
学年、クラスでパッケージ化された子どもたち集団が、学年毎に定められたカリキュラムという製造サインにのせられていくのです。
途中で、テストと呼ばれる製品チェックが行われ、不十分な者は不良品を排除するかの如く「落ちこぼれ」として製造ラインから振り落とされてしまうのです。
そんな悲惨な現実を目にした初任者は絶望しかありません。
時には、落ちこぼれを生んでしまう自分を責めることもあるでしょう。
しかし、多種多様な特性や発達段階をもっている子どもに同じカリキュラムをあてがっている時点で無理なのです!
それなのに、大人の都合で作られたカリキュラムを強要しなきゃいけない先生は辛くなって当然です。
競争原理を軸とした教育システム
「テスト」「成績」「運動会」
学校教育は、このような相手との比較、競争を誘発する仕組みが満載です。
僕たちも当たり前のように受けてきた教育なのであまり疑問に感じないかもしれませんが、このような競争原理をふんだんに取り入れた教育では子どもの豊かな心は育ちません。
強い劣等感を覚える子、変な優越感を感じている子などが生まれてきて当然なのです。
つまり、このような「協働の精神」が生まれにくい競争原理を基盤にした教育では学級運営がうまくいかなくなるのは当然なのです。
辛くなるのも当然です。
子どもを選別する評価システム
先ほどの競争原理の部分とも関係してきますが、先生の仕事には「成績付け(評価)」という作業があります。
一言で「評価」といっても、世界を見渡せば評価のシステムには
など様々な評価方法があります。
上記の4つを簡単に説明すると
- 相対評価は、集団内の比較の中で評価する評価制度(「クラスでAは2人」など)
- 絶対評価は、基準を設けて評価する評価制度(「90点以上はA」など)
- 個人内評価は、個人の成長にフォーカスする評価制度(「この子なりに点数を伸ばせていたからA」など)
- ポートフォリオ評価は、学習過程で生まれる取り組みや成果物を総合的にみて評価する評価制度(「探究的に学習できていたからA」など)
①相対評価や②絶対評価は集団主義的、官僚主義的な組織運営で用いられる評価制度であり、③個人内評価や④ポートフォリオ評価は、個人主義的、民主主義的な組織で用いられる評価制度です。
フィンランドやオランダ、デンマークといった教育先進国と呼ぼれるような国では、とっくに集団主義的、官僚主義的な評価方法から脱却しているのですが、残念なことに日本では未だに①と②の間にいます。
日本では、どこの誰が定めたか分からない評価基準があり、その物差しで子どもたちを選別しなければいけないのです。
このような大人の都合で行われる「子どもをふるいにかける評価制度」を、泣く泣く先生も子どもたちに施すわけですから、辛くなるのも当然です。
そう、いくら子どもの豊かな成長を願っていても、この評価制度がある限りその実現は難しくなるのです。
あなたが悪いわけではありません。
「先生辞めたい!」と思った時の対処方法
以上のような理由から、初任者のあなたが「毎日辛い!」「先生辞めたい!」と思ってしまうのは当然ということはご理解いただけたと思います。
しかし
「せっかく教員になったのに、辞めちゃうのはもったいないな・・・」
「親を心配させたくないな・・・・」
「もうちょっと続けてみたら光が見えるかも・・・」
というようになかなか退職に踏み切れない心もあると思います。
そんなあなたに、少しでも「先生辞めたい!」と思ったらやっておくといい「オススメな対処方法」について解説していきます。
自己分析をしてゴール(目指す場所)を明確にする
悩んだ時こそ「自分を深く知るチャンス」です。
まずは
「自分にとって何が嫌なのか」
「自分は本当は何がしたいのか、どうなりたいのか」
「どんな人生なら納得できるのか」
と自分の価値観を探る質問を投げかけてみましょう。
もし、その自己分析の過程で見えてきた「自分のゴール」が先生という仕事の中でも実現可能と思えたならば、背水の陣を引き(辞めてもいいという気持ちで)思い切ってチャレンジしてみるのもありだと思います。
しかし、どう考えても「教員という仕事で自分のゴールを実現することは不可能!」と感じたならば、人生の舵切り(転職)をするべきでしょう。
絶対に無理だけはしない!
先生になる方は真面目な方が多いので「まだやれるはず!」と自分に鞭を打って頑張り続けてしまいます。
しかし、それ(無理)だけは絶対にしないと約束してください。
なぜなら、無理をして行き着く先はうつ病などの「精神疾患」だからです。
もし、一度でもうつ病などの精神疾患になってしまうと
- 快復までに膨大な時間がかかる
- 社会復帰できなくなる人もいる
- 転職で不利になる
- 保険に加入しにくくなる
といったような大きなハンデを抱えて生きていくことになってしまいます。
もし、辛いと思いながらも教員を続けるのならば
「適当」
「ほどほど」
「だいたい」
を合言葉に気楽に働くことを心がけていきましょう。
そして、もし少しでも無理そうと思ったら病気になる前に全力ダッシュで逃げましょう!
過労で心の声が聞こえなくなる前に!
退職手続きに抵抗があるのなら退職代行などのサービスもあります。
使える資源をフルに活用して自分の心を全力で守りましょう!
転職力を高める
そして何よりも大切なのは転職力を高めておくことです。
今すぐに転職しないまでも、先を見据えて転職力を高めておくのはとってもとっても大切です。
なぜなら
などのメリットが盛り沢山だからです。
では、転職力を高めるためにはどうしたらいいのでしょうか。
オススメな方法は
の三つです。
一つひとつみていきましょう。
転職サイトを活用して求人情報を眺めてみる
転職力を高めたいのなら欠かせないのが「情報収集」です。
- どんな業界があるのか
- どんな職種があるのか
- どんな働き方があるのか
などなど色々な情報を得ることで、自分の価値観が研ぎ澄まされていきます。
そんな有益な情報収集を効率的にしていくために使えるのが転職サービスです。
転職サービスとは、転職のプロのサポートはなく、自分で求人を探していき、自由に好きなタイミングで応募できる転職サービスのことです。 求人を探すところから、応募、面接の日程調整、面接対策までの全てを一人で行っていきます。
ただただ眺めているだけでも、業界や職種についてイメージが持てるようになり、転職力がアップします。
もちろん、登録料や利用料はかかりません。
オススメ転職サイト① doda
【公式サイト】https://doda.jp/consultant/
求人の量と質ともに満足度が高かったです。dodaでは「転職フェア」という企業合同説明会やセミナーをよく開催しています。話を聞いておすすめなセミナーなどの紹介もしてもらえたので、1番最初に登録すると転職全般的な知識を身に着けやすいのでオススメです。
オススメ転職サイト② ビズリーチ
【公式サイト】https://www.bizreach.jp/
ビズリーチは、自分の仕事の経歴をビズリーチ上に掲載し、興味を持った企業にスカウトをもらうという転職サイトです。
つまり、登録するだけで様々な企業からスカウトがもらえるということです!
僕が利用した時は、多くの一般企業からのスカウト以外に、私立学校からのスカウトもあり、最終的にはその学校に転職することができました!
転職エージェントに相談してみる
もし「自分で情報収集するのがめんどくさい!」というあなたは転職エージェントに登録することが超絶オススメです。
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転職エージェントに登録するメリットは
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他にも転職エージェントについて知りたいという方はこちらの記事をどうぞ↓
【教員におすすめの転職サービス4選】元教員が実際に利用して厳選!
教員からの転職!転職エージェントを利用するメリット・デメリットまとめ
本気で転職したい教員必見!転職エージェントとの上手な付き合い方
資格を取ってみる
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もっと資格について詳しく知りたい!という方はこちらの記事もどうぞ↓
教員だからこそ転職までに取りたい資格3選と資格スクールの選び方
資格取得?自己分析?教員が転職に向けてやっておきたいこと6選!
やりたいことがあるなら即転職すべし!
最後になりますが、もし初任のあなたが
「他にやりたいことがある!」
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第二新卒専門の転職サービス4選
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紹介される求人からはブラック企業は除外され、優良企業のみとなっています!
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第二新卒に特化しているからこそ、納得のサポートが受けられます!
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『リクナビ』『リクルートエージェント』でお馴染みのリクルートが運営するサービスです。
『就職Shop』最大の特徴は、履歴書で落とされることがないという点です。
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ハタラクティブ
ハタラクティブの強みは、未経験OKの優良求人が見つけられるという点です。
優良求人が3,000件以上あり、80%以上が未経験OKなので教員からの転職にもぴったりです!
また、短期間で選考に通過できるのも魅力で、内定率80.4%は業界最高レベルです。
まとめ
以上、初任者が「先生辞めたい」と悩む理由と対処方法を解説してきましたがいかがだったでしょうか。
まとめると
劣悪な人材育成システムや労働環境、現代とミスマッチした学校文化のせいで、初任者が辞めたいと思うのは当然である。
先生辞めたいと思ったら、転職力を高め、即行動することがオススメ。
そして、絶対に無理だけはしない!
ということでした。
人生100年!あなたの未来はこれからです!
せっかくの人生、辛い時間に使うのはもったいないですよね。
行動して明るい未来を手に入れていきましょう。
そんなあなたをこれからも応援しています。