先生

コーチングスキルを身につけ教育力・学級経営力を高めよう!教育コーチング基本編

どうもガクせんです。

 

近年、ますます注目が集まる「コーチング」

 

これからの時代において欠かせないスキルであり、将来的には「teacher」という仕事はなくなり、「coach」に置き換わる日もそう遠くはないのではないかとすら感じています。

 

そんなこれからの先生に欠かせない教育コーチングですが

  • そもそも教育コーチングって何?
  • 教育コーチングのスキルについて知りたいな。

という方向けに4回に渡って教育コーチングについて解説していきます。

 

今回は、教育コーチングの1回目「教育コーチングの在り方」についてお話します。

 

この教育コーチングを学ぶことで、「教育とは何なのか」「これからの先生に必要な力は何なのか」がわかります。

 

ボク自身も、先生をやっていた時に、「自分のやっている教育は果たして正しいのだろうか?」「今の学校教育ってこれでいいのだろうか?」と悩んでいた時期がありました。

 

そんな時に出会い、答えを教えてくれたのが「教育コーチング」です。

 

それからというもの、自分の教育観や子どもに対する接し方が変わり、自分の中に軸がしっかりとできたように思います。

 

自分の教育観や教育力をアップデートしたいと考えている方はぜひ学んでみてください。

 

今回の記事を読むことで
  • 教育コーチングとは何かが分かる
  • 教育観が深まる
  • 教育力が高まる

 

今回の参考文献は、日本青少年育成教会主席研究員の小山英樹さんの著書「子どもの心に届く言葉、届かない言葉」です。

 

具体例が多く、「教育コーチング」についてとてもわかりくまとめられている一冊です。

 

ではまいりましょう!

 

目次

教育という言葉の意味を考える

「教」に比べて「育」は抽象的だ。それだけに、先生方個々の「育」のノウハウは可視化・共有化されず、暗黙知になっている。「子どもたちの学習意欲に火をつけたい」「子どもたちの生きる力を育みたい」と願いながら、その方法論を十分に持ちえていない先生方が多いのではなかろうか。

引用:小山英樹著「子どもの心に届く言葉、届かない言葉」

教育という言葉は、「教」「育」という字から成り立っています。

 

一つ一つの文字の意味を見ていくと

・・・教える、与える、知らしめる、分からせる、身につけさせる。

・・・養い育てる、見守る、一人前になるように導く、力を引き出す。

といった行為を表しています。

 

英語で表すと

・・・Teaching(ティーチング)

・・・Coaching(コーチング)

です。

 

つまり、教える(ティーチング)導き、引き出す(コーチング)の両方がそろって初めて教育が実現するわけです。

 

しかし、著者いわく、教師は、教える技術(ティーチングスキル)は概ねもっているが、導き、引き出す技術(コーチングスキル)はもち合わせていな場合が多いというわけです。

 

ガクせん
ガクせん
確かに、ボクの経験からも、教員の研修は断然ティーチングスキルを中心としたものが多かったです・・・。

 

では、教の技術(ティーチングスキル)だけで、子どもに接してしまうとどうなるのでしょうか。

 

教と育の関係を見ていくと、その答えが見えてきます。

 

どうでしょうか。

 

「育」が土台になり「教」を支えているのが分かりますね。

 

つまり、「育」がないと「教」は脆くも崩れ去っていくのです。

 

「教」がその役割を果たすためには「何か」が必要なのだ。

〜略〜

「何か」とは、目的であり、興味・関心であり、意欲だ。そしてその素となるのが喜びや安心感である。これらを引き出すのが「育」の一つの役割だ。

引用:小山英樹著「子どもの心に届く言葉、届かない言葉」

たとえば、勉強に対して何も目的や興味をもっていない子に、いくら親や先生が一生懸命勉強を教えたところで、与えた知識を子どもがキャッチすることはありません。

 

与えた知識は、子どもの心に届くことなく、坂を転げ落ちるかのように、そのまま消えて無くなっていくことでしょう。

 

Gyuさん
Gyuさん
一生懸命教えたのに意味がないなんて悲しいわ!

 

いくらティーチングスキルをあげても、それ以前に、子どもの中に学ぶ目的や興味・関心の種を植え、育ててあげないことにはその効果は発揮されないと言えます。

Gyuさん
Gyuさん
んじゃ、どうやったら子どもの意欲をあげられんねん。
ガクせん
ガクせん
そこで有効になるのが教育コーチングなんだ。次は教育コーチングについて解説していくよ

 

教育コーチングのあり方

クライアント(教育コーチを受ける人。先生にとっては子どもや保護者)に対して「愛情」、「信頼」、「尊重」を持った人、それが教育コーチだ。

引用:小山英樹著「子どもの心に届く言葉、届かない言葉」

 

教育コーチングとは何かを示した概念図

引用:小山英樹著「子どもの心に届く言葉、届かない言葉」

 

上の図を見てもらうと分かるのですが、相手(先生でいうところの子ども)の自立が教育コーチングの目的になります

 

そして、1番下の土台となるトライアングルには、「愛情」「信頼」「尊重」があります。

 

まずは、この3つをしっかりと教育コーチ(教育者)がもっていなければ目的である、相手の自立はありえないのです。

 

ボク自身、この「愛情」「信頼」「尊重」の3つを意識して子どもに接するようにしてから、大きな変化を感いるようになりました。

先生が子どものこと「愛する」「信頼する」「尊重する」

子どもの自己肯定感が育つ・先生への信頼や安心感が増す

子どもの力がよりよく発揮されるようになる

成功体験が増え子どもが成長していく

自信が育ち、自立していく

このようなとても良い循環が生まれたのです。

Gyuさん
Gyuさん
いやーしかし、中には他人に迷惑ばっかりかけている子もおるで。その子を愛せいわれても無理やで!
ガクせん
ガクせん
迷惑ばかりかけている子も、実は愛に飢えているからこその行動をおこしてしまうんだよ。そんな背景なども考えることで相手を愛する力は高まよ。

 

最初は難しいかもしれませんが、必ず好循環が生まれてきます。

 

まずは、ひたすら無条件に子どもを愛し、尊重し、信じることから初めてみましょう。

ガクせん
ガクせん
相手を愛す力、尊重する力、信頼する力もトレーニングすれば必ずのびます。共に頑張りましょう!
Gyuさん
Gyuさん
メモの魔力で有名な前田裕二さんも、人を好きになる練習しとるって言うてたな。

 

子どもから信頼される先生になるための4つのポイント!アドラー・コーチングどうもガクせんです。 突然ですが、この言葉を知っていますか? これは、ドイツの詩人ゲーテの言...

 

教育コーチの信念

信念が子どもの可能性を引き出す。

引用:小山英樹著「子どもの心に届く言葉、届かない言葉」

何事もそうですが、物事を成し遂げるには信念がキーになってきます。

 

では、子どものやる気や目的を引き出す、教育コーチになるためには、どのような信念が必要なのでしょうか。

 

肝になる信念は以下の3つ

  • 人は育とうとする生き物だ
  • 人は自分の中に答えをもっている
  • 人はそれぞれだ

一つひとつ解説していきます。

 

人は育とうとする生き物だ

ボクも2人の子どもを育てている真っ最中なのですが、子どもの「育とう」とする本能は本当にすごい!と感心させられっぱなしです。

  • 何度も失敗しながら一生懸命立ち上がり、歩き出す。
  • 教えたわけでもないのに、どんどん言葉を習得していく。
  • なんでも自分でやってみたいと言い出す。

本当に「育ちたい」という思いが子どもたちからあふれているのを肌で感じました。

 

しかし、一方、先生として「なんでこんなにも無気力なのだろうか」と心配になるほどの子にも数多く出会ってきました。

 

人は成長するに連れて無気力になっていくものなのでしょうか・・・。

 

いや違います。

 

中には80、90歳になっても「育ちたい」「向上したい」という思いを持ち続けている人もいますよね。

 

では、何が原因で無気力になってしまう人といつまでも向上心(育ちたいという気持ち)をもち続ける人を分けるのでしょうか。

 

本書では次のように説明されています。

みんな成長することが好きなのだ。

そんな子どもたちが育つ姿勢を見せないのは、邪魔する何かがあるから。「邪魔するもの」とは、「不安」「恐れ」「負担感」「迷い」などであることが多い。そして皮肉なことに、「育てたい、育てなきゃ」と一生懸命な親や先生の関わりが「邪魔するもの」になることもあるのだ。

引用:小山英樹著「子どもの心に届く言葉、届かない言葉」

これを読んだとき、以前のボクは、「子どもが育とうとする邪魔をしていたのかもしれない」とハッとさせられました。

 

なぜなら、先生としての責任を重く感じていたボクは、本書の文中にもあったように「子どもを育てたい!育てなきゃ!」という思いを強くもっていたからです。

 

そんな責任感から、ボクは「ほら、二列に並んで静かに移動しないとやり直しさせるよ」「給食は、残しちゃいけません」など、一生懸命、子どもの「不安」や「恐れ」を煽っていたように思います。

 

今思えば、子どもにとっては余計なお節介だったのですね。

子どもが自ら育ちたいという欲求を満たすためには、育てられることを拒む必要が出てくる。

〜略〜

「育てたい、育てなきゃ」が強ければそれとの戦いに費やすエネルギーも大きくなる。育つために使うエネルギーがその分減る。

引用:小山英樹著「子どもの心に届く言葉、届かない言葉」

ガクせん
ガクせん
このボクの余計なお節介のせいで、子どもたちの「育ちたい」という純粋なエネルギーを消耗させていたこと、深く反省しています。

 

人は自分の中に答えをもっている

そして、「人は育とうとする生き物だ」に加えて「人は自分の中に答えをもっている」という信念をもつようになってからはボクの声かけも以下のように変わっていきました。

  • 「二列に並んで静かに移動しないとやり直しさせるよ」→「他のクラスに迷惑にならないように移動するためにはどうしたらいいと思う?」
  • 「給食は残しちゃいけません」→「健康な体をつくるためにはどのようなことに気をつけて食事をすればいいと思う?」

このように、ボクが答えを押し付けるのではなく、相手から答えを引き出すことを意識できるようになりました。

 

人はそれぞれだ

上記のように、「他のクラスに迷惑にならないように移動するためにはどうしたらいいと思う?」という質問をしたとしても、「二列に並ぶこと」「静かに移動すること」が正解である、というように先生の中に答えをもってしまっていると、ただのティーチングと何一つ変わらなくなってしまいます。

 

そこで、3つ目の信念「人はそれぞれだ」という考えが大切になってきます。

 

本人なりに一生懸命考えた答えであれば、「どんな答えであろうと正解だ」という受け止め方ができるようになります。

 

つまり、相手の意見を尊重できるようになるのです。

 

教育コーチの姿勢

このように、3つの信念をしっかりもつことができれば、子どもの中にある「〜したい」を引出すことができます。

 

この「〜したい」が子どもの成長の原動力になります。

 

まさにこの「〜させる」を手放し「〜したい」を引き出す力こそ教育コーチングなのです。

 

どんな時も、教育コーチとして子どもの「〜したい」を引き出し続ける姿勢を崩さなければ、子どもの豊かな成長、そして、目標である自立へと向かっていくサポートができることでしょう。

 

まとめ

教育コーチングについて解説してきましたが、いかがだったでしょうか。

 

今回の記事をまとめると

要約
  1. 教育は「ティーチング」と「コーチング」の組み合わせであり、コーチングが土台となる
  2. 教育コーチになるには、「愛情」「信頼」「尊重」が基本である
  3. 教育コーチングの理念は「人は育とうとする生き物だ」「人は自分の中に答えをもっている」「人はそれぞれだ」の3つ
  4. 「〜させる」を手放し「〜したい」を引き出す

 

この教育コーチングの考え方は、これからの教育を考えていく中で欠かせない要素だと思います。

 

子どもが豊かな自立のために今回の記事が少しでも参考になれば嬉しいです。

 

教育コーチングについてもっと詳しく知りたい方はこちらをどうぞ↓

 

 

最後までお読みいただきありがとうございました。

 

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ガクせん
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以上、ガクせんでした。
Gyuさん
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またねー。