どうもガクせんです。
近年、ますます注目が集まる「コーチング」
これからの時代において欠かせないスキルであり、将来的には「teacher」という仕事はなくなり、「coach」に置き換わる日もそう遠くはないのではないかとすら感じています。
そんなこれからの先生に欠かせない教育コーチングですが
という方向けに4回に渡って教育コーチングについて解説しています。
今回は教育コーチングの最終回「承認」についてお話していきます。
この「承認」は「傾聴」「質問」に続き、相手(先生や親にとっては子ども)の成長をサポートする上でとても重要なスキルです。
また、今の日本は、承認に飢えている人で溢れています。
この承認不足が、日本の幸福度を下げ、自殺率をあげている要因になっていることは間違い無いでしょう。
2020年の世界幸福度ランニングは前回調査の58位からさらに下がって62位
自殺者は、年間約2万人
つまり、もしこれからの時代に、多くの先生や親がこの承認のスキルを身につけられたのなら、このような社会問題の多くを解決することができるのではないでしょうか。
それほどの力がこの承認にはあると確信しています。
では、どのようにしたら承認のスキルを身につけていくことができるのでしょうか。
今回も、小山英樹氏の著書「子どもの心に届く言葉、届かない言葉」を基に解説していきます。
- 承認の価値が分かる。
- 効果的な承認のやり方が分かる。
- 子どもの自己肯定感を育てることができるようになる。
ではまいりましょう!
目次
承認の価値
「認められる」ということがなんとパワフルなことか、「認められない」ということがなんとパワレスなことか。自分自身の体験や、多くのクライアントの体験から、つくづく人間は社会的な動物であると思う。他者との関係性において常に自分の存在を認識しながら生きているのだ。
引用:小山英樹「子どもの心に届く言葉、届かない言葉」
「7つの習慣」をはじめ、「人を動かす」「成功哲学」など数々の自己啓発本の中に、必ずと言っていいほど「人との関係」について言及されています。
他者との協力なしには厳しい自然環境の中で生き残ってこれなかった人間には、「集団の中で、自分の存在価値を感じたい」「他者から認められたい」という本能がプログラムされているわけです。
しかし、今の世の中には、「うざい」「消えろ」「きもい」など相手の存在を否定するような言葉が溢れています。
また、「厳しくすれば伸びる」といったような根性論や精神論が未だにはびこっているのも事実です。
そのような時代において、人々は自分の価値が見えなくなり、生きづらさを感じているのです。
そんな世の中だからこそ、「承認」というスキルが重要と言えます。
承認され、自分の価値を感じることができて初めて、自立に向かって一歩踏み出す勇気が湧いてきます。
では、どのような承認が良い承認と言えるのでしょうか。
詳しくみていきましょう。
信念のトライアングルを基にした承認をする
過去記事でも解説しましたが、信念のトライアングルとは、「人は育とうとする生き物である」「人は自分の中に答えを持っている」「人はそれぞれ」という3つの信念のことです。
承認も「人は育とうとする生き物である」「人は自分の中に答えを持っている」「人はそれぞれ」という「信念のトライアングル」から来る。だからこそクライアントは「自立」に向かう行動をとるのだ。
引用:小山英樹「子どもの心に届く言葉、届かない言葉」
例えば
というように信念のトライアングルベースの承認に切り替えていくと承認の言葉が相手に届きやすくなります。
とにかく「相手を信じ、任せる」「失敗は財産」というマインドをもって子どもに接していると、自然とこのような承認の言葉が出るようになります。
もし、この3つの信念を欠いて、承認しようとすれば、「ほめてその気にさせよう」「いい人だと思われたい」「ほめないと相手がかわいそう」といったようにな意図が出てしまい、相手の自立を促すことはできません。
心がしゃべる承認をする
最高だなと感じたら「素敵ですね。最高ですよ」と口から出る。うれしいなあと感じたから「うれしいなぁ」と言う。それだけだ。「頭で作ったほめ言葉」ではなく「心がしゃべる承認」だ。これが相手の凍ついた心を溶かしていくのだ。
引用:小山英樹「子どもの心に届く言葉、届かない言葉」
「恥ずかしくて思ったことを言葉にするのは難しい」と感じる方もいると思いますが、実際に、自分の心の中に湧き上がってきた言葉は相手の心に届きやすいのです。
もちろん、相手が嫌がることを言うのはNGですよ。
ボク自身、この「心の中から湧き上がってきた言葉を相手に伝えよう」と心がけるようになってから、学級経営だけではなく、子育て、夫婦関係などあらゆる人間関係がよくなっていったのを実感しています。
特に奥さんには、感謝の気持ちをとにかくたくさん伝えるようにしています。
家で家事をしてくれている奥さんは、旦那さんが承認の言葉をかけなければ、誰からも認められることはありませんからね。あんなに大変な家事を毎日やっているのにも関わらず。
クラスの子には、人数の関係上なかなか直接伝えるのが難しいと感じたので、心の言葉が湧いてきた時に一筆箋に書き留めて、後で渡したりしていました。
今では、自然と「ありがとう」「すごいね」「感心した」「驚いた」などの言葉を伝えられるようになりました。
現状を承認する
「否定のサングラス」をかけている子どもは、自己肯定感の栄養失調状態にある。健康な人なら栄養にできる「やればできるぞ!」「頑張れ!」という言葉も、体力がなくては受け付けられない。「このままじゃだめだ」はさらに症状を悪化させる。もっと温かい、消化の良い、愛情に溢れたものが欲しい。ほめてほしいなんて思わない。ただ、今、この状況を否定せずに、あるがままに「ああ、そうなんだね」と認めてほしいのだ。
引用:小山英樹「子どもの心に届く言葉、届かない言葉」
どうしても、先生や親は、子どもに「もっとよくなってほしい」という思いから「頑張れ!」と励ましの言葉をかけてしまいがちです。
しかし、子どもとしては、「今の自分を認めてほしい」という思いが強いため、コミニュケーションがすれ違ってしまうのです。
ボクは、小学生の頃から高校生まで野球をやっていたのですが、「もっとやればできるぞ!」「頑張れ!」とこれでもかというほど言われてきました。
正直「もうこれ以上無理!」「もう十分頑張ってる!」と心のどこかで感じていたのを覚えています。(泣)
なので、ボクは「その調子!」「すごい頑張ってるね!」など現状でOKという言葉を用いるようにしています。
「そんなこと言ったら、怠けちゃうんじゃないの?」という声が聞こえてきそうですが、「人は育とうとする生き物である」という信念を忘れてはいけません。
今の自分に満足がいけば、必ず次のステップを踏み出します。
まとめ
承認について解説してきましたがいかがだったでしょうか。
まとめると
- 「人は育とうとする生き物である」「人は自分の中に答えを持っている」「人はそれぞれ」という信念のトライアングルベースで承認する。
- 心から出てくる言葉で承認する。
- 現状でOKと承認する。
ということでした。
最後になりますが、相手を承認するためには、自分で自分を承認してあげる必要があります。
ぜひ、毎日子どものために頑張っている自分を承認することを忘れないでくださいね。
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最後までお読みいただきありがとうございました!
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