どうもガクせんです。
学校にはいろいろなルールがありますが、中には「これは本当に必要?」「よくよく考えるとおかしいんじゃないの」と思うものもありますよね。
実際に調べてみても、「これはおかしい!」と声をあげている人はたくさんいます。
例えば
などなど、調べれば調べるほど、本当にたくさん出てきます。
では、良いルール?悪いルール?を見分けるポイントは何でしょうか?
世田谷区立桜丘中学校の元校長、西郷孝彦さんによると、校則やルールに問題がないかは、次の三つの視点で点検できるといいます。
- 人権侵害になっていないか
- 合理的理由を説明できるか
- 子どもの特性に合わせた「合理的配慮」がされているか
- 良いルールと悪いルールを見分ける力がつく
ではまいりましょう!
目次
人権侵害になっていないか
そもそも人権とは何でしょうか
「人権」とは「すべての人々が生命と自由を確保し,それぞれの幸福を追求する権利」あるいは「人間が人間らしく生きる権利で,生まれながらに持つ権利」であり,だれにとっても身近で大切なもの。
引用:法務省
つまり、理由もなく相手に嫌な気持ちにさせるようなルールは人権侵害に当たると言えるでしょう。
例えば、無言清掃の例で考えてみます。
無言清掃とは、掃除中は一言もしゃべってはいけないというルール
「しゃべることを禁止する」これはまさに「人間が人間らしく生きる」という権利を損害していることに当たるのではないでしょうか。
中には
などの意見もありますが、本当にそうでしょうか。
むしろ、しゃべらないと連携は取れませんし、「無駄」と思われているおしゃべりも、コミュニケーションを円滑にしたり、人間関係を良好にしたりするのに役立っているかもしれません。
「早くきれいに掃除をすること」を目的化し、効率だけを求めるのであれば、相手にお掃除ロボットになれと言っているようなものです。
もし、「もっと早く効率的に掃除ができるようにしたい」という願いを先生がもっているのであれば、子どもたちに相談してみてはどうでしょう。
きっと、「しゃべらない」以外のいいアイデアが生まれてくると思います。
しっかりと、「人権を守れているかな」という視点でルールを見直してみましょう。
合理的理由を説明できるか
合理的理由を説明できるかとは、簡単に言えば、「そのルールの必要性についてだれもが納得できる理由を説明できる」とうことです。
シャーペン禁止、色ペン禁止、消しゴムは白のみ、など文房具のルールを例に考えていきましょう。
なぜこのようなルールが必要なのでしょうか?
このような理由が多いのではないでしょうか。
答えは、NOです。
なぜなら、上記のような理由は、「授業がやりやすい」「トラブルを避けたい」といった先生の都合に偏ったものになっているからです。
上記の理由だと、いろいろなツッコミをされそうです。
シャーペン禁止のルールに関しては
色ペン禁止のルールに関しては
消しゴムは白のルールに関しては
など、いくらでも反論が出てきそうです。
やはり合理的な理由としては難しいですね。
なんでもかんでもルールとしてしまうのは考えものです。
あくまでも
など情報を与えるにとどめ、判断は本人やご家庭に委ねた方がいい場合もあります。
子どもの特性に合わせた「合理的配慮」がされているか
学校には、いろいろな子が登校してきます。
性別はもちろん、身体的な特性、精神的な特性どれをとっても一人ひとり違うのです。
そのため、学校は、そのルールがあるために、学校に来にくい、過ごしにくいという子どもがいないかを常に考えていく必要があるのです。
それが、「合理的配慮」であり、2016年に施行された障害者差別解除法で明記されました。
無言給食のルールを例に考えてみましょう。
無言給食とは、「給食中に一言もしゃべってはいけない」というルール
もし、クラスの中に「どうしてもおしゃべりが止まらない」といった悩みをもっている多動傾向の子がいたらどうでしょうか。
その無言給食というルールのために、毎回叱られる、友達からも白い目でみられるという経験をしてしまうことになります。
その結果、学校に来にくい、過ごしにくい、ということに結びついていってしまいます。
この場合、多動傾向があると分かっていて、無言給食を課していたのであれば法律違反ですし、分かっていなかったとしてもこの対応は良いとは言えないでしょう。
しっかりと、子どもの特性を理解し、その特性を大切にしたルールになっているかもう一度見直してみることは重要ですね。
まとめ
ルールを点検する3つの視点について解説してきましたがいかがだったでしょうか。
まとめると
- 人権侵害になっていないか
- 合理的理由を説明できるか
- 子どもの特性に合わせた「合理的配慮」がされているか
という「3つの視点でルールを点検する」ことが大切ということでした。
この3つの視点でルールを見直し、子どもがよりよく豊に成長していける学校をつくっていきたいですね。
最後になりますが
実は、「これらたくさんの不合理なルールのせいで、苦しんでいる先生もいるのだ」という事実もお伝えさせてください。
不合理なルールと分かっていながらも、先生という立場上、守らせなければいけないという現実に苦しんでいるのです。
変えたいけれど、大きな組織の中で、なかなか変えられないという無力感・・・。
組織の一員としてうまくやっていくためには、周りと合わせていかなければいけないという義務感・・・。
いろいろな思いの中で、苦しんでいる先生がいるのです。
そんな意味でも、いち早くみんなが幸せになれるルールをみんなで創造していけたらと思い、今回記事にまとめました。
少しでも、この記事がお役に立てたら嬉しいです。
参考にさせていただいた西郷先生の実践はとても興味深い物ばかりです。
もしご興味のある方は調べてみてください。
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以上、ガクせんでしたー。