どうもガクせんです。
日々、子どもと関わる親や先生であれば
と、イライラしてしまうことに悩んでいる方が多いのではないでしょうか。
という自分も同じような悩みを抱えていた一人です。
12年間ボクは小学校の先生をしていたのですが、若かれし頃のボクはというと瞬間ふっとう機のように、すぐプンプン怒っていました。
そんなある日「自分ってずっと怒っているな」「なんですぐイライラしてしまうのだろう」と、ふと我にかえった瞬間がありました・・・。
それからというもの
と考えるようになりました。
心理学、哲学、脳科学などあらゆる分野を学びながら、ボクは答えを探しました。
そして、ボクはついに
イライラを遠ざける考え方
イライラしなくなる学級システム
を見つけることができました!
今回は、その、ボクがイライラを手放すのに役立った考え方やシステムについて解説していきます。
- イライラしない思考を身に付けることができる
- イライラしないシステムづくりができるようになる
それではまいりましょう!
目次
怒りを遠ざける考え方編/アドラーとの出会い
ボクの考え方を大きく変えたのは、アドラー心理学との出会いでした。
アドラー心理学とは、アルフレッド・アドラーが創設し、後継者達が発展させた心理学の体系のこと。個人心理学ともいう
数年前にアドラーブームが起こるなど、日本でも注目を集めています。
岸見一郎著「嫌われる勇気」が、ベストセラーになったことでも話題になりました。
初めてアドラー心理学を知った方はこちらもオススメ↓
ボクはアドラー心理学からたくさんの学びを得ることができました。
その数あるアドラー心理学の教えの中で、今回のテーマである、怒りを遠ざけてくれるのに役立った考え方を紹介していきます。
課題の分離
アドラー心理学の代名詞的な考えでもある、課題の分離。
課題の分離とは、自分の課題と他者の課題を明確に区別し、他者の課題に踏み込まないようにようにするとともに、自分の課題にも踏み込ませないようにするという考え方のこと
「勉強」を例に考えてみましょう。
「勉強」をしないでその責任を負う(困る)のは誰でしょうか。
なので、親や先生が子どもに「勉強しなさい!」というのは「勉強をする」という子どもの課題に踏み込んでいることになります。
そうなると、自分の課題に踏み込まれた子どもは「うるさい!」となるわけです。
大人ができることは以下の3つだけです。
一つひとつ説明します。
①情報を伝える
勉強することのメリットやしなかった時のデメリットなどの情報を伝える。
自分の体験談なども話してあげると効果的です。特に失敗談などは子どもは興味をもって聞きます。
②自分の気持ちを伝える
「勉強をしないと将来あなたが苦しまないかとお母さんは心配しているんだ」と自分の気持ちを正直に伝える。
自分の気持ちを伝えた後、「あなたはどう考えているの?」など質問するのも効果的です。子どもの答えに対してはどんな答えであっても「そうなんだね」と受け止めましょう。
正直に気持ちを伝えるまでにとどめましょう。「だから勉強しなさい」となっては課題に踏み込むことになります。
③環境を整える
子どもの気持ちが勉強に向かいやすい環境を整える。
例えば、必要な学習用具を買ってあげる、勉強スペースを確保してあげるなどです。
「必要があれば、いつでもあなたを支援するよ」というスタンスでいることが大切です。
以上の3つをやったらもうそれ以上、大人にできることはありません。
その後、勉強をやるかやらないかは子ども自身が決めればいいのです。
「もう自分ができることは十分やった」
「もし子どもが勉強しなくても、困るのは私じゃないし」
くらいの心構えで行きましょう。
長い目で見れば、そのほうが子どもも自分の勉強に責任をもてるようになります。
最初は、「そうは言っても心配で!」という気持ちになるかもしれませんが、この考えが自分の芯まで落ちると、イライラすることが格段に減ります。
自分ができることが明確になり、相手を変えようという気持ちはなくなります。
そもそも他者を変えることは不可能です。
「馬を水辺に連れて行くことはできても、水を飲ませることはできない。」ということわざがあるように、変えることのできない相手を一生懸命変えようとするからイライラが生まれるのです。
もちろん勉強以外でも、自分の課題と相手の課題を分離できるとイライラする機会が激減します。
他の人の目で見て、他の人の耳で聞き、他の人の心で感じる
アドラーが他者と関わるうえで最も重要なことは、「他の人の目で見て、他の人の耳で聞き、他の人の心で感じることだ」と言っています。
また、「他者の関心に関心を寄せる」という言葉もボクの心には刺さりました。
大人から見て、子どもが、不可解な行動をとっていたときも、頭ごなしに「何やってるんだ!」と怒るのではなく、一度、子どもの視点に立ち
と一度考えてみる癖をつけるとイライラがおさまります。
大人にとっては不可解な行動でも子どもには悪意がないことが多いです。
例えば
ボクが5年生の担任をしていた時に、階段からボールを転がしている子がいました。
ボクは「何やってるんだ!危ないでしょ!」と言いたい気持ちをおさえ
と聞いてみました。
すると、その子は
と元気に答えてくれました。(笑)
と伝えると、素直に「はーい、ごめんなさい」と聞き入れてくれました。
一度、気持ちを受けとめてもらえると、子どもは心を開きます。
逆に、子ども(人)は頭ごなしに怒られると、心を閉ざし、こちらの伝えたいことは一切伝わりません。
つまり、大人の価値観で判断するのを極力おさえ、子どもの目で、耳で、心で物事を捉え直してみると、意外と怒りはおさまりますし、子どもとの関係を崩さず思いを伝えることができるのです。
アドラー心理学には、他にもたくさんの子育て、教育に役立つ教えがたくさんあります。
興味のある方は、ぜひ本を読んでみてください。
イライラを遠ざけるシステム編
ボクは、アドラー心理学に出会い、これまでのシステムや環境を見直すきっかけにもなりました。
もし、「どこから改善しようかな?」と悩む場合は、自分がどんな時に子どもに怒ってしまうのかを考えてみることをオススメします。
あとは、その状況を生み出さないようにシステムや環境を整えていけば良いのです。
時間とやるべきことを見える化する
「見える化」とは、教育評論家の親野智可等さんが提唱している理論で、時間ややるべきことなど目には見えないものを目に見える形にすると言うことです。
例えば
時間内に動いて欲しいのであれば、大きなタイマーを取り付けて、時間を見えるようにする。
朝起きて、やるべきことをやって欲しいのであれば、やることリストを作って、いつでも見える場所に置いておく。
など、子どもが自分達で動ける仕組みをつくってあげれば、親や先生も口出しする必要が減り、イライラすることもなくなります。
環境を整えるまで大人の課題、それ以降は子どもの課題ですね。
ボクは、学校の教室や家でも見える化の工夫をたくさんしてみました。
例えば
などが主なものとしてあげられます。
手帳については別記事をどうぞ↓
ホワイトボードは色々応用できるのでオススメです。
家では、nu boardというホワイトボードノートを活用しています。
透明シートもついていて、✅などシートの上から書き込めるので便利です。
自分達でルールを決める
子ども達にルールを守らせるためにイライラすることって多くありますよね。
親や先生によってはルールを与えすぎて、それを守らせることにヘトヘトになっている方もいます・・・。
では、大人がルールを与えるという発想を変えてみたらどうでしょう。
ボクは、子ども達になるべく一方的にルールを与えることはせず、自分達でルールを決められるようにしました。
どのように決めていくかは別記事にまとめてあるのでどうぞ↓
子ども達が納得感のもと自分達でルールを決めることで、ルールを大切にするようになります。
また、先生も自分が与えたルールではないので、必死に守らせようとイライラする必要はありません。
例えば
昔、ボクは「給食中おしゃべりしてはいけない」というルールを一方的に子ども達に与えたことがあります。
その時は、ポリスメンのように子どもを管理し、ルールを守らせることに必死で勝手にイライラしていました・・・。
しかし、子ども達が自ら「給食中は、しゃべらず食べることに集中する時間をつくろう」とルールを決めた年は、「子ども達が決めたことだから子ども達に任せよう」とおおらかな気持ちでいられました。
ボクの給食指導についての記事はこちらから
一度決めたルールでも、何度も話し合いながら実態にあったものに修正してけることが大切です。
ボクは、このクラスミーティングのシステム(自分達でルールを決めるシステム)を取り入れてからは、格段に怒る機会が減りました。
まとめ
このようにボクは、アドラー心理学に出会い自分のイライラを減らすことができました。
そして何より、そのことで子どもたちといい関係を築けるようになりました。
子育て中の方や学校の先生は本当たいへんだと思います。
完全にイライラを無くすことなんて不可能です。
しかし、上記のことを知っているかいないかは大きく違います。
たとえ、感情的に怒ってしまったとしても今後に向けて少しずつ修正していけばいいのです。
少しでも、イライラが減り、大人も子どもも幸せな時間を過ごせることを願っています。
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