どうもガクせんです。
学校の先生になれば必ずといっていいほど経験することの一つ!
そう、それは「子ども同士のけんかの仲裁」です。
そう、そんな「けんかの仲裁」ですが
このように「子ども同士のけんかの仲裁」に関する悩みは数多くあるのではないでしょうか。
しかし、そんな失敗を繰り返しては工夫を重ね、だんだんとうまく仲裁できるようになりました。
また、子どもたち自身で解決できることも多くなりました。
そこで今回は、ボクの失敗談を交えながら、ボクなりに導き出した「うまくいく!子どもが自立する!けんかの仲裁方法」について解説していきます。
- 自信をもってけんかの仲裁ができるようになる
- 子どもたちの解決能力を高めることができるようになる
先生の視点で解説していきますが、兄弟げんかで悩んでいる保護者の方にも参考になると思いますのでぜひお読みいただければと思います。
ではまいりましょう!
目次
ボクのけんかの仲裁失敗談
ボクも思い返すと泣きたくなるほどけんかの仲裁に失敗してきました。
その失敗を分類すると
- 先生が解決してしまう型(干渉)
- 子どもに任せすぎる型(放任)
- 問題を大きくしてしまう型
- 問題の本質からずれていく型
少し簡単に説明していきますね。
①先生が解決してしまう型
これは、本当によくやってしまうパターンの失敗ですね。
先生はとても忙しいので、わかっていてもついついやってしまうのがこの「先生が解決してしまう型」です。
このように先生が全てのことを裁判官のようにジャッジしてしまう仲裁方法です。
ボクも先生になって間もない頃は、このようなやり方をしてしまっていました。
このやり方で仲裁すると、なんとなく解決できた気がしてしまいます。
また、ボクの場合、「どうだ解決してやったぞ」「先生すごいだろ」と自尊心を満たしている自分もいました。
しかし、長い目で見ると、本人同士の納得感が無いままなので、モヤモヤが残り次の問題を生み出してしまう可能性が大きいのです。
しかも、次に起こるであろう問題は、さらに複雑で難しい問題になっていることが多いです。
中には、先生に言いつけて叱ってもらおうとする子どもも出てきます。
つまり、自分たちで解決しようという姿勢や問題解決能力が育たなくなるのです。
②子どもに任せすぎる型
上記のような反省を活かし、ボクはなるべく子どもたちに任せようと思うようになりました。
ボク(先生)に言いつけにきた子に対して「自分たちで解決してみな」と返し続けていったところ、「先生は何もしてくれない・・・」とボクへの信頼が薄れていってしまいました。
また、子どもたち同士だとちゃんと解決できずに、問題がより複雑になっていってしまうこともありました・・・。
③問題を大きくしてしまう型
やりすぎもダメ、放任もダメ・・・。
そんな時に、ボクがやったのは「とにかくたくさん双方から話を聞くこと」でした。
しかし、ここにも大きな落とし穴がありました。
このように、けんかの仲裁をしようとしたのに結局は第二のけんかのゴングを鳴らしてしまうという結果に・・・。
余計に問題が大きくなってしまいました・・・。
④問題の本質からずれていく型
上記のように子どもたちから話を聞いていくと
少し、極端な例でしたが、何が言いたかったのかというと、最初のAさんの訴えはどこかにいってしまったということです。
このように、子どもの話を聞いていると、結局なんの話をしていたのかが分からなくなることが良くありました。
うまくいくけんかの仲裁のやり方
ボクは、上記のような数々の失敗から、自分なりのけんかの仲裁方法を編み出しました。
そのことについて時系列で解説していきます。
簡単に流れを説明すると以下のようになります。
では、一つひとつ解説していきます。
①一人ひとりから聞き取りをする
トラブルになった2人をいきなり引き合わせてしまうと、問題を大きくさせてしまいます。
なので、まずは別々に話を聞き取るのがポイントです。
それぞれから、次の2点について聞き取りましょう。
- トラブルになってしまった経緯
- 自分が1番嫌だったことは何か
経緯と共に子どもの感情も聞いてあげるようにしましょう。
どんな意見でも「そうか、そうか」と受容しましょう。
大人の価値観をはさんでしまうのはNGです。
とにかく、ここでは、「悪いあの人」「かわいそうなわたし」についてたくさん話させてあげましょう。
この2点についてたくさん話し、スッキリさせることで次のステップである「これからどうするか」に進むことができます。
「かわいそうなわたし」「悪いあの人」「これからどうする」の話は、岸見一郎さんの著書「幸せになる勇気」で、カウンセリングの手法として紹介されています。
②解決するための話し合いをするかどうか2人から合意をえる
次は、それぞれ「これからどうしたいか」「解決するために話し合うなら先生も手伝う」ということを伝えます。
中には、先生が入らないでも「自分たちだけで解決できる」という場合もあります。
そのような時は、「2人に任せるね、無理そうだったら先生を呼んでね」と任せてあげる選択肢もあります。
本人たちも「自分たちで解決できた」という喜びや自己有用感をもつことができます。
- あくまでも、先生は「手伝う」というスタンスでいきましょう。解決するのは先生ではなく、本人たち同士なのです。
③当人同士を引き合わせ、それぞれから聞き取ったことをもとに「トラブルになった経緯」について確認する
ここでは、先生が聞き取ったことをもとにトラブルになった経緯について確認していきます。
先生が最後まで話し終わったら、「違ったところや付け足しはありますか?」と聞きましょう。
先生が話し終わるまでは、口をはさませないようにしましょう。
付け足し等がなければ次のステップに進みます。
④「お互いに何が嫌だったのか」について聞き取ったことを先生から説明する。
「Aさんは〜が1番嫌だったんだね」「Bさんは〜が1番嫌だったんだね」と確認しましょう。
あくまでも事実を伝えるということにのみ注力していきましょう。
ここでも先生の価値観をはさまないように注意しましょう。
⑤解決するためにどうしたらいいかについて意見を求める
今までの経緯や嫌だったことを確認できたら、「これからどうするか」のステップに進みます。
と質問します。
- もし、相手を責めるような意見が出てきてしまった場合は、解決するための話合に参加しているということをもう一度確認しましょう。
- 「自分にできること」という視点がポイントになります。
⑥意見をもとに解決するためのアクションを求める。
例えば、⑤で「自分がやってしまったことは謝る」「お互いに謝る」「次からはしないことを約束する」などの解決策が出てきたら、それを実行するように促しましょう。
⑦解決できたことを確認し、価値づけする
最後に、「他に言い残したことはありますか」(解決のための意見のみ)と確認をしましょう。
何もなければ、「しっかり2人で考えて解決できたね」と2人で解決できたことを価値づけしましょう。
「2人が仲直りできたことを、先生は確認しました。2人ならこれからも大丈夫だと先生は確信しています!」と前向きな言葉で締めくくりましょう。
まとめ
けんかの仲裁について解説してきましたがいかがだったでしょうか。
まとめると
仲裁方法の失敗パターンは
- 先生が解決してしまう型(干渉)
- 子どもに任せすぎる型(放任)
- 問題を大きくしてしまう型
- 問題の本質からずれていく型
うまくいく仲裁方法のステップは
- 1人ずつ話を聞き、お互いに「トラブルになった経緯」と「何が1番嫌だったのか」について聞き出す。
- 解決するための話し合いをすることについて2人から合意を得る。
- 当人同士を引き合わせ、先生がそれぞれから聞き取ったことをもとに「トラブルになった経緯」について確認する。
- お互いに「何が嫌だったのか」について聞き取ったことを先生から説明する。
- 解決するためにどうしたらいいかについて意見を求める。
- 意見をもとに解決するためのアクションを求める。
- 解決できたことを確認し、価値づけする。
でした。
先生は、めちゃくちゃ忙しい日々の中、突如として起こるトラブルにも対応しなければいけません。
トラブルに対応している間は他の子がやることも考えなければいけないですし・・・。
そういった意味でも、1クラスに2人は先生が必要だと個人的には思っています。
本当に現役の先生には頭の下がる思いです。
少しでも時間的な余裕が先生たちにもできればいいなと願いつつ、これからも情報を発信しながら現役の先生たちを応援していきたいと思っています。
そういった意味でもこの記事が少しでもお役に立てたら嬉しいです。
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