どうもガクせんです。
近年、ますます注目が集まる「コーチング」
これからの時代において欠かせないスキルであり、将来的には「teacher」という仕事はなくなり、「coach」に置き換わる日もそう遠くはないのではないかとすら感じています。
そんなこれからの先生に欠かせない教育コーチングですが
という方向けに4回に渡って教育コーチングについて解説していきます。
今回は、教育コーチングの3回目「質問」についてお話します。
ボクは、過去記事でも「質問力」について取り上げるなど「質問」の重要性を強く感じています。
事実、数々の子どもたちと接する中で、質問が子どもたちの成長にとても効果的であることを体験してきました。
しかし、ボクも最初から効果的に質問を使えたわけではありません。
質問にも、効果があるものないものもありました。
今回も、日本青少年育成教会主席研究員の小山英樹さんの著書「子どもの心に届く言葉、届かない言葉」を基に効果的な質問について考えていきます。
この本では、3つの質問テクニックを紹介してくれています。
その3つの質問とは
です。
- 質問力が身に付く
- 子どもの力を引き出せるようになる
ではまいりましょう!
目次
質問とは何か?
いきなりですが、「質問」とは何でしょうか?
次の会話をみてみましょう。
どうでしょうか。
先生は「?」を使って質問をしているように見えますが、これは質問ではなく、「詰問」です。
質問しているようで、質問する側が、自分がもっている答えに誘導しているだけなのです。
一切相手の純粋な答えを求めてはいないのです。
また、「なぜ?」「どうして?」の質問の多くには、「相手を変えよう」という意図が含まれていることがあります。
「なぜそんなことするの?」には、「私には、それをする理由が理解できない!あなたは変わる必要がある!」という意図が無意識に含まれているのです。
では、このように質問の罠に陥ることなく、効果的な質問ができるためのポイントについて解説していきます。
「何?」を使った質問にする
「何?」は理由や説明を求めない。「モノ探し」でいいわけだ。論理立ては不要で一言の名詞で答えることも可能になるため、答えを探しやすい。
引用:小山英樹「子どもの心に届く言葉、届かない言葉」
具体例を見てみましょう。
どうでしょう。かなり答えやすい質問に変わったのがお分かりでしょうか。
また、答えに具体性が生まれるため、次への行動にも繋がりやすくなります。
また、「何?」には、相手を否定せず、相手と一緒に何かを見ようというアプローチにもなります。
例えば、
「なぜそれができないの?」→「それができなかった原因は何?」
どうでしょう。
前者の「なぜ?」には、あなたはなんでそんなこともできないの?という相手を否定するニュアンスが含まれてしまいます。
後者の「何?」には、あなたはできるという前提のもと、できなかった原因を一緒に見つけようというニュアンスが含まれます。
前向きな質問をする
質問には、実は矢印があります。
一つは「過去と未来」という時間軸の矢印、もう一つは「マイナスとプラス」という感情的な矢印です。
質問によって、相手の意識を方向付けることができるのです。
友達とケンカをしてしまったAくんとの会話を例に解説していきます。
ここでは、まず相手の気持ちを話させながら共感することで、相手の中にある重荷(悪口を言われて嫌だったという気持ち)を下させます。
上記の例では、都合上、共感の部分を短くしています。もう少し時間をかけて丁寧に吐き出させてあげるとよいでしょう。
その後「これからどうしたい?」という質問で、相手の思考を未来へと向かわせました。
そして、「仲直りできたらどんな気持ち?」という質問で、相手の気持ちをプラスの方向へ向かわせたのです。
また、「どうしたい?」という質問には、「自分の心の声を信じて、自分を信じて選ぼう」「先生は君を信頼しているよ」というメッセージも含まれます。
ダメな例としては
- 「謝りなさい」と問題解決思考の対応
- 「大丈夫、相手も気にしていないさ」と励まして終わりな対応
があります。
開いた質問・閉じた質問を使い分ける
質問には、主に開いた質問(オープンクエスチョン)と閉じた質問(クローズドクエスチョン)があります。
この二つの質問の特性を理解し効果的に使いこなすことが大切です。
まずはこの質問の特徴を見ていきましょう。
閉じた質問 | 開いた質問 | |
特徴 | YES/NOで答えられる質問 | 答えが多岐にわたる質問 |
メリット | 答えやすい | 相手の本当の気持ちを引き出しやすい |
デメリット | 質問者の決めつけやコントロールが入り込みやすい | 閉じた質問より答えるのが難しい |
この二つのメリット、デメリットを理解し、使い分けながら質問することで相手の気持ちを引き出しやすくなります。
例えば、相手のやる気を問う場合で考えてみると
「やる気はあるの?」(閉じた質問)
「やる気は何%くらい?」(開いた質問)
どちらが効果的でしょうか。
この場合は、開いた質問が効果的ですね。
一方、朝の挨拶などでは「今日は元気?」など閉じた質問でファーストコンタクトをとることが多いですよね。
ここでの閉じた質問は、相手の意見や思いなどを聞き出すことに目的はなく、コミュニケーションを円滑にすることに重きが置かれています。
このように目的と質問の特性を考えながら、質問していくことにより効果的な質問ができるようになります。
いきなり、開いた質問をされると黙ってしまう子もいます。最初は閉じた質問を使いながら、リズムをつかみ、だんだんと開いた質問で相手の心を解放させていくのがオススメです。
まとめ
教育コーチングの「質問」について解説してきましたが、いかがだったでしょうか。
今回のポイントは
- 「何」の質問を使う
- 前向きな質問を使う
- 開いた質問と閉じた質問を使い分ける
でした。
質問力が上がると、教育者としてのスキルが上がるのはもちろんのこと、人間関係の悩みも解消されます。
ぜひ、日々の会話の中で試してみてください。
たくさん試せば、試すほど質問力は鍛えられます。
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