どうもガクせんです。
いじめ、不登校、学級崩壊、校内暴力、落ちこぼれ問題、吹きこぼし問題・・・。
今の学校教育は瀕死の状態に陥っています。
この問いに対してズバッと回答できる人は少ないでしょう。
なぜなら、ボクたちは「今の日本の学校教育がどのようにして形作られてきたのか」をちゃんと学ぶ機会がなかったのですから。
しかし、冒頭でもお話したように、現代の教育はもう危機的な状況です。
「なんとかなるでしょ」と指を加えて待っている場合ではないのです。
そこで、今回は「学校教育の歴史」をふり返りながら、これからの学校教育を考えていきます。
- 日本の学校教育の歴史がわかる
- 今の学校教育の問題が生まれた背景がわかる
- これからの教育の在り方を考えるきっかけになる
それでは参りましょう!
目次
日本の学校教育の歩み
みなさんが当たり前に受けてきた学校教育。
そして、今も尚、これからの時代を担っていく子どもたちに施されている学校教育。
そんな身近な「学校教育」はどのような歴史を歩んできたのでしょうか。
先ほども申し上げたように、歴史を知ることで、現状を正確に理解できたり、これからの指針が見えてきたりします。
今の教育と対比しながらタイムトラベルしている気分でしっかりみていきましょう!
義務教育の誕生/強い国づくりを目指す日本
義務教育がスタートしたのは、1872年(明治5年)になってからのことです。
義務教育がスタートする前までは、「寺子屋」や「藩校」などに子どもを集めて教育が行われていました。
そんな江戸の世から明治の世へと大きな変革を遂げた日本では、外国からの植民地化を警戒し、強い国造りが求められるようになりました。
そのような背景もあり当時の日本では、とにかくトップの命令に従順に従える人材や言われたことを時間内に正確に再現できる人材が大量に必要だったのです。
そのため、紆余曲折ありながらも、すでに軍国主義で国力を上げていたドイツの教育システムを取り入れ、国家主義的な義務教育を整備していくことになるのです。
また、今まで教育をまともに受けたことがない子どもたちが多数だっただけに、少ない資源(先生)で大量の知識(学習内容)を大量な人材に(子ども)に詰め込む必要がありました。
そのため
のような教育体制が築かれていくことになります。
戦中の教育/教育の場を一本化
第二次世界大戦、そして太平洋戦争へと突き進む中、教育も、国家総動員法の流れを受けて、1941年に「国民学校令」が出されます。
この法令で特筆すべきなのが、今まで認められてきた家庭教育や学校以外の教育の機会が失われることになるということです。
つまり、国の定めた学校以外を教育の場として認めないということです。
この頃から「学校はいくもの」という今でも子どもや保護者たちを苦しめる固定観念が生まれたわけですね。
戦後の教育/変化できなかった日本の教育
その後、皆さんご存知のように、日本は戦争に破れ焼け野原となります。
そして、GHQの指導のもと、「教育基本法」「学校教育法」を出し、今までの軍国主義から民主主義、資本主義の国へと変貌を遂げることになります。
しかし、憲法26条にある「普通教育を受けさせる義務」の「普通教育」の範疇が広がることはなく、結局「普通教育=学校教育」という規範は変わりませんでした。
また、自由主義教育をベースにスタートした戦後でしたが、だんだんと系統主義へ傾倒していくことになります。
1956年に行われた全国学力テストの結果を受け、地域の学力差が明らかになったことから、1958年の学習指導要領改定では、基礎学力の充実や教育課程の基準性、最低授業時数の明確化がなされるようになったのです。
さらに、国際的にも、経済競争が激化していく中、ますます学習内容が増加の一途を辿ることになります。
このような、自由主義から系統主義、詰め込み主義への転換は、一度焼け野原となり、1からの出発となった日本には、当然の流れだったのかもしれません。
特に、当時は第二次産業時代であり、工場労働者を大量に必要としていました。
そのため、またもや「言われたことを、時間内に正確に再現する力の育成」が教育に求められたのです。
そのお陰といっていいのか定かではありませんが、高度経済成長の時代を迎えた日本は、世界から「ジャパン・アズ・ナンバーワン」と称されるまでに成長を遂げるのでした。
子どもたちの苦しみ/問題の顕在化
その一方で、無視できないのが、1970年代にかけて社会問題となってきた「落ちこぼれ」や「不登校」「非行」という教育現場の問題です。
先ほども説明したように、他国との経済や技術競争の激化に伴い、1968年に行われた学習指導要領改定では、学習内容が高度化、増加しました。
受験による競争もどんどん激しさを増していきました。
教える先生も、期間内に定められた学習内容を伝達しなければいけないため「新幹線授業」と揶揄されるほどの過度な詰め込み教育を行うようになります。
そうなれば、もちろん授業についていけない児童生徒が出てきて当然ですよね。
このように授業についていけない子は落ちこぼれていき、登校を拒否するようになったり、非行に走ったりするようになるのです。
管理教育の強化/道を誤る日本の教育
ここで、日本は大きな過ちを犯すことになります。
今まさに教育先進国と呼ばれているフィンランドやオランダ、デンマークのように子ども主体の教育へと舵を切れば良かったのですが、日本は真逆に突き進むことになります。
学習内容は多少のゆとりをもたせたものの、一方では、校則を強化したり、大人がゼロトレランス(不寛容)な態度で子どもに接したりするなど、子どもを強く管理することで切り抜けようとしてしまったのです。
現代になっても「ツーブロック禁止」「地毛証明書の提出」「下着の色の指定」など不可解な校則がメディアで取り上げられていましたね。
つまり、明治時代に出来上がった、トップダウンの構造は、基本的に変わることなく現代まで引き継がれてきてしまったわけです。
現代の教育/危機に瀕する日本の教育
そのように、子どもにも先生にも無理をしいてきたツケが現代になって様々な問題として噴出してきています。
- いじめ、不登校、学級崩壊、落ちこぼれ、吹きこぼし問題という子どもの悲鳴・・・
- ブラック労働、過労死、教員不足と言った先生たちの悲鳴・・・
これでもかとネガティブな言葉で埋め尽くされているのが、現代日本の学校教育です。
また、PISAやTIMSSといった国際的なテストでは、点数自体は悪くはないものの、自己肯定感が低いこと、勉強に対する意欲が低いことなども明るみになってきました。
これでは、人生100年時代、生涯学習時代と言われる現代を豊かに生き抜いていくことはできません。
では、どうしたらこのような苦しみから子どもたちを救うことができるのでしょうか。
これからの教育を考える
これまで、明治に始まった義務教育が今も基本的な形を変えずに残っているという話をしてきました。
しかし、現代はインターネットの普及により、価値観はグローバル化し、AIの台頭により「言われたことを、時間内に言われた通りに再現する力」は価値を失いました。
そんな、教育現場の現状と激しい時代の変化との齟齬が、様々な教育問題を生み出しているのです。
もう、待ったなしです。
現在進行形で「いじめ、暴力、不登校児童数」は増え続けているのです。
早いところ、教育現場を時代にあった姿にアップデートしていかないと日本の教育は滅びてしまうでしょう。
では、日本の教育を再興していくためにはどうしたらいいのでしょうか?
まずは、明治から変わらない以下の代表的な学校システムを見直すことから始める必要がありそうです↓
あなたはどう考えますか?
このように、今の時代を生きるボクたちが、「子どもにとって良い教育とは」を常に問い続けていく必要があるでしょう。
ちょっと世界を見渡せば、様々な教育方法があります。
- モンテッソーリ教育
- イエナプラン教育
- サドベリー教育
- ドルトンプラン教育
- フレネ教育
などなど、ステキな教育実践が溢れているのです。
日本も「今までのやり方」に固執せず、いいなと思うところはどんどん取り入れていきたいものです。
まとめ
以上、日本の学校教育の歴史をふり返りながら、教育の問題点やこれからの教育について考えてきましたがいかがだったでしょうか?
まとめると
- 今の日本の学校教育体制は「富国強兵、殖産興業」を目指した明治の時代につくられたものである。
- 今の日本の学校教育体制では、激しい時代の変化に対応できずに様々な教育問題を生み出している。
- 日本の学校教育をより良くしていくためには、今までの学校教育体制を見直し、スクラップ&ビルドしていくことが必要。
ということでした。
まずは、歴史を知り、現状を正確に捉えることが大切です。
そういった意味でも、この記事があなたのお役に立てたら幸いです。
最後までお読みいただきありがとうございました。
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