どうもガクせんです。
- 宿題って何を出せばいいの?
- 宿題をやらせることに疲れてきた。何かいい方法はないかな?
- そもそも宿題って意味あるのかな?
このように、先生の中には「宿題」に対する悩みを抱えている人が多いのではないでしょうか。
何を隠そうボク自身もその1人でした。そして、12年間の教員経験の中で常に悩みながさまざまな宿題を試してきました。
などなど、本当いろいろな宿題を出してきました。
そして、最終的にボクがいきついた答えは!
「宿題を出さない!」でした(笑)
では、なぜ「宿題を出さない」という答えにたどりついたのか?これから詳しく解説していきます。
この記事を読むと
- 宿題の意義について深く考えることができる。
- 子どもの成長のために大切なことは何かがわかる。
それではまいりましょう!
昔のボクが宿題を出していた理由
宿題を出さないという話をしましたが、もちろんボクも若い頃は毎日宿題を出していました。
土日の分までたんまりと出していた年もありました。
では、なぜそこまでボクは宿題を出していたか。
当時をふり返ると次のような気持ちがありました。
みんなが出しているから(出すのが当たり前だと思っていたから)
初任の頃から、とにかく周りに宿題を出していない先生などおらず、宿題を出さないという選択肢はそもそもボクの中にはありませんでした。
ガクせん
同じ学年を組んでいた先輩からは、宿題の内容なども学年でそろえるように指導されました。
「何のために宿題を出すのか」などあまり考えることもなく言われるがままに、ボクは同じ宿題を出し続けていました。
保護者の目が気になるから
宿題を出さないと、保護者からクレームを言われてしまうという恐怖感も感じていました。
実際に、「宿題が少ないからもっと出して欲しい」という要望は何度か受けたことがあります。
やっぱり、保護者的には家で子どもが勉強している姿を見ると安心しますよね。
また、家で子どもにダラダラされるとイライラしたり、将来が不安になったりもします。
そうなるとやっぱり
となる訳です。
Gyuさん
逆に「減らしてほしい」っていう保護者もおるし難しい問題やな。
先生の権威付けのため
若い頃のボクは、「いい先生になるには、子どもたちを管理し、統率できる力が必要」という思いをもっていました。
そういった意味で、当時のボクは宿題にメリットを感じていました。
つまり
「子どもに宿題を課す=権威を示す」
という構図が成り立つからです。
先生から子どもに宿題を課すことで、「先生は偉いんだ」という印象を与え、縦の関係を築こうとしていたのだと思います。
ガクせん
会社でいうところの上司が部下に仕事を課すようなものですね。
ガクせん
完全に「子どものため」という視点が抜けている最悪なパターンです。反省・・・。
授業時間内だけで学習の定着をさせるのは難しいから
とにかく、カリキュラムをこなしていくことに精一杯だったボクは、終わらなかった練習問題などを宿題にしていたこともありました。
「はい、この問題終わらなかった人は宿題ねー」
今考えると、どれもこれも子どもたちの成長の為というよりは、なんとも利己的な理由で宿題を出していたことがわかります。
宿題を出していて感じたこと
上記のような理由から、宿題を出し続けていたボクですが、だんだんと宿題を出すことに違和感を感じるようになりました。
それは以下のような子どもたちの姿があったからです。
子どもが勉強嫌いになる
自主学習系の宿題を出していた年では、続けていく中で自分の成長を実感し、学ぶ喜びを見つけている子もいました。
しかし、そのような子は宿題なんて出さなくてもしっかり学ぶきっかけさえ与えてあげれば自分で勉強できる子です。
基本的には、子どもたちはみんな「宿題を出さないでほしい」と願っていました。
たまに宿題を出さない日があったりすると「イエーイ」と子どもたちは喜びます。
また、「今日は○○頑張ったから、宿題はなしでいいでしょ?」など懇願してきたり・・・。
本来、子どもたちに学ぶことの楽しみを伝えなければいけないはずの先生が、「学び=苦行」という構図を刷り込んでいるのでは・・・と感じるようになりました。
子どもたち同士の関係が悪くなる
出している側の先生は気がつきにくいのですが、毎日しっかり宿題をこなすことって意外ときつい・・・
クラスの中には、宿題を提出できない子は必ずといっていいほど出てきます。
そうなると
「あいつは宿題やってこない悪い子だ」
「私はこんなに頑張ってやったのに、あの子はやってこないなんてズルイ」
と感じる子もいるわけです。
簡単に言うと、「なんで私は罰(宿題)を受けたのにあの子は罰(宿題)を免れているの!」ということです。
つまり、「宿題(学び)=罰」という構図が生まれていきます。
先生と子どもの関係が悪くなる
先生は、宿題を出している手前、宿題をやってこない子には指導する必要が出てきます。
そうしないと、クラスの中に「先生の言う事は聞かなくてもいいんだ」という雰囲気が生まれてしまうからです・・・。
また、指導を入れないと、先ほども解説したように宿題を真面目にやってきている子が
「あの子は宿題をやってこない上に先生に怒られないなんてズルイ!」
「先生もちゃんと指導してよ!」
という思いをもち始めます。
そして、やってこない子に指導を入れたら入れたで、指導された子は先生に対して嫌悪感を抱きます。
こうなると
宿題を出す → やってこない子が出てくる → 指導しなければいけない → 子どもとの関係が悪くなる
となるわけです。
みんなで同じ課題に取り組むことへの違和感
教員生活前半のボクは、義務感からドリルやプリント、音読を主体とした宿題を出していました。
しかし、クラスの子どもたちの中にはそれはそれは大きな学力差があり、宿題に対して「簡単すぎてつまらない」という子や「難しすぎて辛い」という子が出てきてしまうのです。
ガクせん
ボクが出していた宿題にフィットする子は全体の3割くらいいれば良い方だったのではないでしょうか。
そこで、ボクは自主学習という宿題を採用し、ある程度はその問題を解消することができました。
自主学習とは、自分で宿題の課題や分量を決めて学ぶ方法。
秋田県の家庭学習ノートの取り組みなどが有名です。
しかし、結局は宿題を出していることには変わりないので、上記の3つの問題は残ったままでした。
宿題って効果あるのか調べて見た
そんな違和感を感じていたボクは、「そもそも宿題って効果あるのかな?」「何の根拠もなしに今まで出していたな・・・」と考えるようになりました。
実際に調べてみると以下のことがわかりました。
2006年にディーク大学が200件の先行研究を集めて行ったメタ分析によると「小学校の宿題が成績をあげるという証拠はない」「むしろ学習に対する興味関心を低下させる可能性が高い」という結果が出ている。
教育先進国と言われるフィンランドや子どもの幸福度が高いデンマークでは宿題はほとんどない。
フィンランド人は、日本の子どもが放課後に宿題や塾に時間をかけていることに対して「何で学校で勉強しているのに、家でまた勉強する必要があるの?」と疑問に思うそうです。
デンマークでは、ヒュッゲと言って「ホッとくつろげる心地よい時間」を大切にしている。なので、宿題でヒュッゲの時間を奪うのは悪と思われている。
なので、デンマークの子どもたちは、放課後の時間は自分の好きなことに没頭したり、家族でゆっくり過ごしたりと思い思いに時間を過ごしているようです。
フランスでは、宿題を出すことを法律で禁止している。
フランスでは、宿題は子どもや先生の過労を招くためよくないと考えられているそうです。
脳科学者の澤口先生も、「好きなことに没頭する時間が脳を一番成長させる」とおっしゃっていました。
そういった意味でも、宿題をするより、自由な時間を過ごした子どもたちの方がより良く成長できるのではと考えるようになりました。
そこで、ボクは思い切って宿題をやめてみました。
とりあえずやってみなければ、良いも悪いもわからないという事でチャレンジしてみたわけです。
ガクせん
けっこう勇気が入りました。保護者や同僚からの目もありますしね。
では、実際に宿題をやめてみてボクが感じたメリット、デメリットについて解説していきます。
宿題をなくして感じたメリット
ボクが宿題をなくして感じたメリットは↓
- 子どもとの関係がよくなった。
- イライラが減った。
- 宿題をチェックする時間がなくなり子どもたちと遊べる時間が増えた。
- 宿題による子どもたちのギスギス感がなくなった。
- 子どもが自分の学習に責任をもてるようになった。
というようにたくさんの良さを感じることができました。
また、一番気になっていた、学習の定着度合いですが、特に変化を感じませんでした。(笑)
テストの点数を見ても、宿題を出していた時と何の遜色もありませんでした。
自分の学習に責任をもてるようにするためには手帳も有効です↓
宿題をなくして感じたデメリット
ボクが感じたデメリットはこちら↓
- 保護者から宿題を出してほしいという要望が出る
- 教科書の練習問題やドリル学習など完璧にこなさせようとするのは厳しくなる
まぁこれは想定内といった感じでしたね。なので、しっかりと解決策も用意しており、実際に解決できました。
解決策↓
①に関しては、次年度、懇談会や学級通信などで、担任としての思いを伝え、保護者の理解を得ることで問題を解消することがきました。
もし、子どもと相談して、「どうしても宿題が必要」と思うのであれば、個人的に宿題を提供するということも伝えました。(もちろん子どもたちにも伝えてあります)
同僚に対しても、同様に「自分の思い」をしっかりと伝え理解してもらいました。
ガクせん
担任としてしっかりと考えを伝えることがとても大切です。若い先生など、なかなか保護者や同僚に理解してもらうのが難しい方は、自主学習を宿題にすることをオススメします。
②に関しては、全ての課題をやらせようとせずに、個別的に練習問題の量を調整してあげることで解消することができました。
まとめ
以上、宿題についてボクの考えを解説してきましたがいかがだったでしょうか。
まとめると
まとめ
保護者や同僚への説明が必要になるが、宿題をなくすと
- 子どもとの関係がよくなる
- イライラが減る
- 宿題をチェックする時間がなくなり子どもたちと遊べる時間が増える。
- 宿題による子どもたちのギスギス感がなくなる。
- 子どもが自分の学習に責任をもてるようになる。
などたくさんのメリットが得られる。
ということでした。
ボク的には、宿題をなくして本当によかったと思っています。
そもそも「宿題(勉強)をさせること」が目的化してしまっていることに気付き、本当の目的である「子どもの豊かな成長」に目を向ければ、何が正しいのか見えてくると思います。
こんな先生もいるのだなと、一つの選択肢として参考になれば嬉しいです。
先生と子どもにとって学校がより良いものになることを願っています。
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