どうもガクせんです。
みんな大好きな「ドラえもん」
ドラえもんは1970年代を舞台に話が展開しているのを知っていましたか?
時代が違えばもちろん常識や制度も違いますよね。
時代が進むにつれて、わかってきた科学的な事実もあります。
ボクは教員を12年間し、今も教育にたずさわる仕事をしているので、教育や子育てのことに目がいってしまうのですが、まあ現代というフィルターをかけて見てみると「ドラえもん」には”ヤバイ”と思ってしまうような言動が多々見られます。
そこで、今回はのび太君を叱ることで有名な、のび太君の先生のヤバイ教育(叱り方)を現代の制度や科学で分析してみたいと思います。
- 現代の常識に当てはめて、制度的、科学的に「ヤバイ」と言える叱り方のみを集めて解説しています。決して、のび太君の先生を否定するための内容ではありません。
- のび太君の先生のキャラクター設定上の教育観であり、当時の教育観を代表するものではありません。
- のび太君の先生の教育がなぜヤバイのか制度的、科学的な視点で理解することができる。
- 自分の教育観を磨くことができる。
ではまいりましょう!
目次
体罰
のび太君の先生といえば
「野比!廊下に立っとれ!」のセリフで有名ですよね。
この「廊下に立たせる」という行為、学校教育法の定めるところによると、「肉体的苦痛を与えるような懲戒」に該当し、体罰とみなされます。
体罰(たいばつ)とは、私的に罰を科す目的で行われる身体への暴力行為である。
引用:Wikipedia
他にも
などものび太君の先生の言動の中に出てきますが、これも体罰になりますね。
現代では、体罰などの外的動機づけによる教育効果は極めて低いことがわかっています。
むしろ、マイナス面が非常に大きく、場合によっては子どもに一生の傷を負わせてしまうことにもなりかねません。
外的動機づけよりも、好奇心をベースにした内的動機づけができるようにしていきましょう。
詳しく知りたい方はこちらから↓
差別・人権侵害
この発言はどうでしょうか。
体罰には当てはまらないのですが、差別や人権侵害に該当する可能性があります。
差別(さべつ)とは、特定の集団や属性に属する個人に対して特別な扱いをする行為である。それが優遇か冷遇かは立場によって異なるが、通常は冷遇、つまり正当な理由なく不利益を生じさせる行為に注目する。
引用:Wikipedia
人権侵害(じんけんしんがい)とは、国家権力(特に「公権力」を行使する行政主体)が憲法の保障する基本的人権を侵害することをいう。
また、私人間で、顔役、ボス、雇主、マスコミなどが、弱い立場にある人々の人権を違法に侵す意味にも用いられる。
引用:Wikipedia
差別や人権を害する発言も、体罰と同じように子どもの心を深く傷つけてしまいます。
子どもと関わる方たちは、十分に気をつけていきましょう。
叱りの三原則
叱りの三原則とは、叱る時は、「その時」「その場で」「そのことだけ」叱るというものです。
のび太君の先生の例で見てみましょう。
この「また」「毎日」という言葉が「そのことだけ」の原則違反に当たります。
叱る際に、感情的になってしまうとついつい前のことも持ち出したくなりますが、そこは「その時、その場で、そんことだけ」の3つの原則を思い出してがまんできるように心がけていきましょう。
辱め(はずかしめ)
次は、言葉ではなく、場面の話です。
次の「先生の叱る場面」をみてみましょう。
- 成績の落ちた出木杉を皆の前で叱りつける。
- 「野比また0点か」と皆の前で悪い点数を発表する。
- 皆の前でのび太を叱りつける
共通しているところは、「皆の前」というところです。
最近は、上司が部下にこのような、みんなの前で辱める言動をすると「パワーハラスメント」ということで訴えられることさえあります。
相手の名誉を傷つけることは絶対にやめましょう。
もし叱る時は、廊下に呼んで話すなど、なるべく誰も聞いていない場所を選べるといいですね。
心理的リアクタンス
この言い方だと、子どもの中に心理的リアクタンスを引き起こしてしまいます。
心理的リアクタンスとは、選択する自由が外部から脅かされた時に生じる、自由を回復しようとする反発作用のこと。
つまり、このように「○○しなさい」と言われた子どもは「嫌だ!」と反発し、やる気をなくしてしまうのです。※「嫌だ」と言葉に出さなくても心理的には反発が生まれています。
「○○しなさい」という強制的な表現は避けるようにしなさい!
言うことを聞いてもらいたい場合の心理テクニックを知りたい方はこちらをどうぞ↓
遊びの否定
のび太君の先生は遊びを否定していますが、遊びの教育効果は今とても注目されています。
遊びには
など、現代に欠かせない力を育ててくれることがわかっています。
子どもの力を伸ばしたいのであれば、どんどん遊びを取り入れていった方がいいです。
遊びの効果や教育の歴史について詳しく知りたい方はこちらをどうぞ↓
他者との比較
このような他者との比較は、子どもの自己肯定感を下げてしまうのでNG です。
比較をする時は、過去の自分との比較ができるようにしてあげるのが効果的です。
なぜなら
からです。
勇気くじき
たくさんのセリフを紹介しましたが、このようなセリフは全て勇気くじきです。
勇気くじきとは、アドラー心理学で提唱されている勇気づけの逆のもの。つまり、相手の自信ややる気を奪う言動
勇気づけ=ヨイ出し
勇気くじき=ダメ出し
このように勇気をくじかれた子どもは、自己肯定感が下がり、人生に後ろ向きになってしまいます。
ダメ出しやりヨイ出し!覚えておきましょう。
信頼の欠如
この発言から、のび太君を信頼していないのが分かりますね。
しかし、現代では、コーチング、カウンセリングの世界をはじめ、「相手を信頼することの重要性」が叫ばれています。
つまり、子どもを育てていく上で、まずは、子どもを信頼することはとても教育効果が高いのです。
子どもを信頼すると以下のような教育効果があります。
ボクの教員として、親としての経験上、良い教育をしたいのであれば、まずは、子どもを心のそこから信頼することから始めることをオススメします。
信頼する力を高めたい人はこちらをどうぞ↓
まとめ
のび太君の先生の”ヤバイ”教育を制度的、科学的に解説してきましたがいかがだったでしょうか。
のび太君の先生の言動を反面教師として学べることもあったのではないでしょうか。
学べたことをまとめると
- 体罰はやめよう
- 差別、人権侵害的な発言に気をつけよう
- 叱りの三原則を守ろう
- 命令口調はやめよう
- 教育に遊びを取り入れよう
- 他社より自分との比較ができるようにしよう
- 子どもを勇気づけよう
- 子どもを信頼しよう
です。
これからも、このような教育的視点で「ドラえもん」を見てみるのも面白いかもしれませんね。