どうもガクせんです。
子どもを育てていく上で、切っても切り離せない「叱る」という行為。
一言で「叱る」といっても、叱り方次第では、その教育効果は大きく変わってきます。
小児発達学診療医の友田明美先生によると、過度な叱責が子どもの脳を変形させ、視覚野、聴覚野などの機能に支障が出ることもあるそうです。
※マルトリートメントと言います。
では
ボク自身、12年間のクラス担任の経験の中で、なかなか叱ることに自信がもてなかった時期がありました。
叱ったあとも
「これでよかったのかな・・・。」
「あんなことで叱らなければよかった・・・。」
「叱ったあとの、子どもの表情が気になってしまう・・・。」
など、迷いが残るといったこともしばしば
しかし、自分なりに勉強し、色々と試行錯誤していく中で、自分の指導に自信がもてるようになりました。
今回は、以前のボクと同じように叱ることに悩んでいる方向けに、10のポイントに絞って、「教育効果の高い叱り方」について解説していきます。
- 教育効果の高い叱り方を知ることができる。
- 自信をもって指導できるようになる。
- 子どもとの関係がよくなる。
ではまいりましょう。
目次
教育効果の高い叱り方 10のポイント
たくさんの子どもたちと関わり、トライ&エラーを繰り返しながら、ボクなりに効果ありと感じたものを10こに絞って解説していきます。
全ての子どもに同様な効果があるとは限りません。
あくまでも、目の前の子どもたちに意識を向けながら、10のポイントを組み合わせながら取り組むことをオススメします。
①子どもとの信頼関係を築く
最初にして、最も大切なポイントになります。
あ
これからお話しする残りの9つのポイントも、この「子どもとの信頼関係を築く」ことができていなければ、教育効果がゼロになってしまうと言っても過言ではありません。
働きかけ✖︎信頼関係=教育効果
逆に、信頼関係がしっかりと構築できれば、残りの9つのポイントの力をさらに高めてくれることにもなります。
あ
要は、「何を言うかより、誰が言うか」が重要なのです。
あ
どんなに正論を言われても、相手のことを信頼していなければ、何一つ心に響きません。
それどころか、反感さえ生まれてしまうという結果に・・・。
あ
とにかく、日頃からしっかりと子どもと信頼関係を築けるように努めていきましょう。
何よりもまず、子どもとの信頼関係を築こう!
②ここぞという時に叱る
「叱る」という行為は、簡単に言えば最終奥義のようなものです。
日頃から頻発しているとその効果は薄れます。
毎日、ガミガミ言われている子どもにとっては「また言ってらー」くらいにしか感じていません。
ひどい時には、完全に耳をふさいでいるかのように頭に言葉が入らなくなっている子さえいます。
いつもニコニコしている親や先生が、ここぞという時に叱るからこそ、その効果を最大限に引き出してくれます。
「叱る」ことは最終奥義と心得よう!
③人格を否定しない
叱る時に気をつけておきたいのが、人格を否定しないことです。
人格ではなく、行動を否定するのがポイントです。
友達をぶってしまった子を例に説明すると
あなたは乱暴者だ → 人格否定
友達をぶつのはいけないことです → 行動否定
ぶつという行為はいけないけれど、あなたへの信頼、愛、関心は変わらないという姿勢が大切です。
人格ではなく、行動を叱ろう!
あ
④叱るタイミングを見定める
叱るタイミングには、大きく2つのパターンがあります。
- その時、その場で
- 落ち着いた後、リラックスできる場で
①は、危ないこと、緊急性の高いことなどの場合です。
たとえば、自分や相手がケガをしてしまいそうな行動をしている時に、「危ない!」「やめなさい」と叱るのがそれです。
その他は②のタイミングをオススメします。
相手とは、問題行動が起きた後、しばらく経って穏やかな雰囲気になったところで話し合いをしたいものです。
引用:小倉広「アルフレッド・アドラー 人生に革命が起きる100の言葉」
このようにアドラー心理学では、すぐその場で説明してはならないと言われています。
アドラー心理学では、叱ることそのものを否定しています。
ここは誤解が生まれやすい部分でもあるので、後で詳しく解説していきます。
ボクも、自分の子どもには一緒にお風呂に入っている時に話すようにしています。
問題行動を起こした直後は、子どもの心も興奮している状態なので、なかなかこちらが伝えたいことが届きません。
落ち着いていて、リラックスできる空間でこそ、相手の心にメッセージが届きやすいタイミングと言えます。
緊急性がなければ、落ち着いてから伝えるようにしよう!
⑤口調を考える
叱るというと、「大声で怒鳴る」というイメージが強いです。
しかし、叱る時に大声を出すことは稀なのだと考えていた方がいいです。
大声で叱るの必要があるのは、④でも出てきましたが、危険な行為など緊急性の高い場合のみです。
なぜなら、すぐにその行為をやめさせる必要があるからです。
それ以外の時は、できる限り、冷静な口調、または親しみのある口調で話すようにするのが効果的です。
実は、大声で叱られるなど威圧感を感じると、人間は「逃走・闘争」反応が出てしまいます。
アドラー心理学がいう、「叱ってはいけない」というのはこの威圧的な言動のことであり、決して何も伝えてはいけないというわけではありません。
できる限り、冷静な口調、または親しみのある口調で伝えよう!
⑥理由を明確にする
叱るときはに何より大切なのが理由を伝えることです。
叱ることの目的は、相手になぜそれがいけないのかを伝えることにあります。
それなのに、「理由を伝える」ということを省いてしまい、ただ叱責するだけとなってしまうことが往々にしてあります。
それでは、ただ「怒りという感情をぶつけた」だけになってしまいます。
よく、子どもの中になんで怒られたのか分からないという子がいます。
このように言わせてしまうのは、大人に落ち度がある証拠なのです。
しっかり、子どもが納得できるように理由を説明しましょう。
子どもが納得できるように、何がいけなかったのか理由を説明しよう!
⑦I(アイ)メッセージで伝える
I(アイ)メッセージとは、主語を「わたし」にするということです。
叱るときはIメッセージで伝えることがポイントになります。
逆に、よくないのが主語を「あなた」にするYouメッセージになります。
ウソをついてしまった子を例に、IメッセージとYouメッセージの二つを比べてみましょう。
ウソをつかれてわたしは悲しかったよ。
ウソをつくなんてあなたは悪い。
どうでしょう。
Youメッセージだと受け取った側が責められている印象を受けてしまいますね。
また、「自分のやったことで相手を悲しませてしまった」など相手への影響を知ることの方が自分の行動を改めようとする傾向が強くなります。
Iメッセージで伝えよう!
⑧自分の失敗談を話す
叱っている中で、自分の失敗談を子どもに話してあげると、子どもは心をオープニンにしてくれます。
たとえば
このように、自分の失敗談を話してあげると、「みんな失敗しているんだ」と子どもは安心します。
自分の失敗談を話してあげよう!
⑨「次は大丈夫」と信頼を寄せる
叱った時は、最後に「次は大丈夫」「次はできる」というように信頼しているよというメッセージを伝えましょう。
子どもにとって叱られることは、ネガティブな体験です。
最後の最後までネガティブなままだと「次頑張ろう」という気持ちの切り替えができません・・・。
なので、最後は、子どもが前を向けるようにポジティブな言葉を伝えましょう。
最後の言葉が、1番印象に残ります。(ピークエンドの法則)
最後に子どもの成長に期待を込めたメッセージをプレゼントしましょう。
また、人は、信頼されると、信頼に答えようと頑張るという効果もあります。(ピグマリオン効果)
叱った後は、「次は大丈夫」と信頼を寄せよう!
⑩改善が見られたら、すかさず価値づけしよう
叱ったら叱りっぱなしが1番よくないです。
叱ったならば、責任をもって、その後の行動の変容を見るようにしましょう。
そして、少しでも子どもの中に改善が見られたら、すかさず「できたね」と声をかけましょう。
子どもは「見守ってもらえた」という思いと、「成長できた」という喜びを感じるとができるのです。
「叱る」と、「その後の変容を見届ける」はセットで考えよう!
まとめ
教育効果を高める叱り方のポイントについて解説してきましたがいかがだったでしょうか。
ポイントは
①何よりもまず、子どもとの信頼関係を築こう!
②「叱る」ことは最終奥義と心得よう!
③人格ではなく、行動を叱ろう!
④緊急性がなければ、落ち着いてから伝えるようにしよう!
⑤できる限り、冷静な口調、または親しみのある口調で伝えよう!
⑥子どもが納得できるように、何がいけなかったのか理由を説明しよう!
⑦Iメッセージで伝えよう!
⑧自分の失敗談を話してあげよう!
⑨叱った後は、「次は大丈夫」と信頼を寄せよう!
⑩「叱る」と、「その後の変容を見届ける」はセットで考えよう!
たくさんのポイントについて解説してきましたが、全てに共通するのは「子どもの成長を願う気持ち」です。
その気持ちがあれば、叱るという行為も子どもたちの心には愛情として届くと思います。
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以上、ガクせんでしたー!