どうもガクせんです。
あなたはこのような悩みを感じていませんか?
正直、ボクも長い期間このような悩みを抱え続けていました。
「子どもにとっていい教育がしたい!」と言いながら、学校内にある文化や同僚の目を気にして子どもたちを管理、統制してしまう毎日・・・。
これでは、先生にとって都合のいい「いい子ちゃん」を養成しているだけで、子どもの本来の学ぶ力、成長する力を奪ってしまっているのではないか・・・。
自分の思っていることとやっていることとのギャップに悩み、日々苦しんでいました。
そんなボクも、ある程度年齢を重ね、学級経営力がついてきたり、同僚から受ける圧力もへってきたりしたこともあり、
「本当に自分がやりたい教育をしよう!」
「子どもたちにいい教育をしよう!」
と思い立ったのでした。
それからというもの、ボクは学校教育に根深く残っていた3つの常識をぶち壊すことからはじめました。
その3つの常識とは
です。
今回は、その3つの常識をぶち壊した結果、どんなメリット・デメリットがあったのかお話していきます。
- 常識を疑う視点が育つ
- 子どもの主体性を引き出すヒントが見つかるかも
それではまいりましょう!
目次
ボクが先生になって感じたこと
3つの常識について解説する前に、ボクが先生になって感じてきた違和感についてお話しさせてください。
その違和感を一言で表すのなら
「ここは刑務所か!?」
の一言につきます。
教育現場に来たはずなのに、自分がやっていることと言えば、子どもをルールでガチガチに縛り、子どもの言動を監視し、ルールを破った子、秩序を見出した子に対して叱責する。
まるで、刑務所の囚人を管理する看守のような仕事・・・。
子どもたちは席に縛りつけられ、トイレに行く時は「トイレ行っていいですか。」と先生に許可をあおぐ・・・。
こんなはずでは・・・と悩みながらも、少しでも学級がうるさくなったり、子どもがトラブルを起こしてしまうと
学級崩壊!
指導力不足教員!
といったレッテルを貼られてしまうことに。
ベテランの同僚からも指導が入るというありさま。
その指導も、「いかに子どもを上手に管理するか」といったスキルばかり・・・。
これでは、「いつまでたっても自立した学習者を育てられない」とボクは感じ、なるべく自由に主体的に子どもたちが学べるようにするにはどうしたらいいのだろうかと模索するようになりました。
その中で、オランダやフィンランド、デンマークといった海外の教育に目を向けるようになり、色々な刺激を受けました。
海外の教育を学ぶ中で、ボクがまず感じたことは、「常識を疑うことの大切さ」でした。
何事も、新しいことを生み出すヒントは常識を疑うことから始まります。
では、実際に、ボクがどのように常識を疑い、どのような実践をしていったのかについて具体的に解説していきます。
机の配置の常識を疑う!(コの字のグループ型)
学校の教室を思い浮かべて見てください。
このような、座席を思い浮かべたのではないでしょうか?
そう、画一一斉型の授業が主流の日本では、「黒板に向かってみんな前向き」に机を配置するのが一般的ですよね。
まずは、そこの常識を疑ってみました。
つまり、前向きの座席配置をやめた!ということです。
海外の教室はとても面白く、リビングルームのような教室、ベンチやソファーのある教室、自分の座席が決まっていない教室、椅子ではなくバランスボールに座る教室、などなど様々なアイデアが見つかります。
いきなり、日本の文化の中で同じようにやるのは不可能なことも多いですが、自分の常識フィルターを壊してくれるので一度調べてみるといいと思います。
ボク自身はというと、色々試してみたところ、日本の文化を考慮しつつ一番しっくりきたのがコの字のグループ型(アイランド型)でした。
こんな感じ↓
では、実際に3年間、この机の形で実践してきて感じたメリット、デメリットについて解説していきます。
メリット
ボクの経験では以下のものがあげられます。
などです。他にも書き切れないほどのメリットを感じました。
「とりあえず一度挑戦してみよう」という気持ちで子どもたちと一緒にやってみたのですが、子ども自身もその良さを感じていたようで、この座席配置にしていた3年間、一度も子どもたちから不平不満が出たことはありませんでした。
デメリット
ボクが感じたデメリットは以下のようなものでした。
しかし、そのデメリットもボクは試行錯誤することで解決することができました。詳しく知りたい方はこちらの記事をどうぞ↓
机の配置一つ変えるだけで、今まで見えなかったことが見えてきます。
子どもの様子もガラリと変わります。
環境の及ぼす影響は本当に大きいです。
色々試してみると良いかもしれません。
きっと、しっくりくるものがきっと見つかるはずです。
学び方の常識を疑う(学び合いタイム)
日本の授業風景と言えば、先生が前に立ち、チョーク&トークで進めていくのが一般的ですよね。
ボクは、その常識も疑ってみました。
何をしたかというと
子ども自身が「自由に学習環境をつくって学べる時間」を設定したのです。
つまり、自分で自由に学ぶ場所、学ぶ仲間を選べるということです。
その時間のことをボクは「学び合いタイム」と言っていました。
西川純教授の提唱している『学び合い』とは違うのでご了承ください。
もう少し詳しく説明しますね。
学び合いタイムのやり方
「学び合いタイム」を設定する時間は
- 算数の練習問題を解く時間
- 調べ学習の時間
- 作文や新聞作りなど成果物を仕上げる時間
など、ボク(先生)が情報を伝えたり、みんなで話し合いをしたりする時間以外のところがその時間になります。
自由に学習環境をつくるとは
- この子と一緒に勉強すると頑張れる。
- 壁側に机を向けて1人で勉強すると集中できる。
- 床で寝そべりながらリラックスして勉強したい。
といったようなそれぞれのニーズを子どもたちが自分たちで選択していくということです。
つまり、「はい!ここから学び合いタイム」とボク(先生)が言うと、子どもたちは自由に席を立ち、自分の学習環境をつくり始め、学習に取り組むということです。
メリット
実際にやってみてボクが感じたメリットはこちら↓
- お互いに学び合い、助け合うようになるので人間関係が良くなる。
- 分からないで立ち止まってしまう子が減るので平均的な力が上がる。
- 先生が引っ張る必要がなくなるので、先生に周りを見渡す余裕がでる。
- 子どもたちが学びや学ぶ環境に対して責任をもつことができる。
です。
学級の雰囲気もよくなるし、学力、学習意欲にも効果があるように感じました。
緊張感のある教室よりリビングのようにリラックスできる環境の方が学習効率がいいとも言われているので、いろいろな要素が絡み合いながら良いループが生まれていたのかもしれません。
デメリット
ボクが感じたデメリットは1つ
無駄話が始まり、うるさくなるときがある。
子どもたちの実態によってどこまで子どもに任せるかも違ってきますが、次の4ステップでボクは対応しました。
自分たちで学習環境をつくっていくことに責任をもたせるには忍耐が必要です。失敗を繰り返しながら学んでいくことになります。
ボクも口出しし過ぎてしまい、反省することが何度もありました・・・。
子どもたちはきっとできるようになると信じることが大切ですね。
学ぶ内容の常識を疑う(レベル上げタイム)
日本にはカリキュラムがあり、「何年生に何を学ぶ」というようにやることが事前に決まっています。
そして、それぞれの授業の中では、先生から「今日のめあてはこれ!」と課題や問題が示されます。
子どもたちは「なぜこれを学ぶ必要があるのか」という一番大切な疑問ももたずにただ無思考に出された課題を消化していきます。
ここには、自分から必要性をもって知識を取りにいくとい大切な要素が抜けてしまっているのです。
授業がうまい先生は、子どもの意欲を引き出す力をもっていますが、基本的には出来合いの答えを自分たちの力で学んだと錯覚を起こさせているに過ぎないところがあります。
ボクは、ドイツ生まれ、オランダ育ちのイエナプラン教育のように、自分で自分の学内容を決定できる時間があってもいいなと思い、実際に取り入れちゃいました。
では、どのようにレベル上げタイムを取り入れていくのかについて解説していくね。
レベル上げタイムのやり方
「レベルあげタイム」を設定する時間は
- 授業の課題が終わり、残った時間
- 週に1時間程度、ボクが設定した時間
自分で自分の学習内容を決めるとは
など、自分の必要性や興味関心をもとにその時間に何を学ぶかを選ぶことです。
家から参考書を持ってきたり、好きな本を持ってきたりとレベル上げタイムに向けてそれぞれが準備してきます。
とにかくここで大切にしたいのは「何を学ぶかではなく、主体的に選択して学ぶ」と言うことです。
なので、子どもが選択したものに対して「あなたは算数スキル遅れているのだから算数スキルやりなさい!」など介入してはいけないのです。
自分で選択して初めて本来の「学び」という概念を理解するのです。
メリット
実践して感じたメリットはこちら↓
- 子どもたちがレベル上げの時間を楽しみにしていた。
- 自分の課題を見つけ、計画的に取り組める力が育った。
- 自分の学習に責任をもてる子が増えた。
- メタ認知能力が向上した。
- 教科の課題が終わった後に「次何やればいいですか」と聞いてくる子がいなくなった。
授業のような出来合いの学びではなく、本来の学びの楽しみを感じられたことが何よりの成果だと思います。
デメリット
デメリットとしては
- 最初は一人ひとりに寄り添いながらアドバイスをしていく必要がある。
- 軌道に乗れない子へのサポートが必要。
- 時間の確保が難しい。
などがありました。
軌道に乗れない子が出てくるのは当然です。なんせ、学校では、「自分で学ぶ」という習慣を学ぶ機会がないのですから。
最初は、やはりサポートが大変だなと感じることもありましたが、このサポートする工程こそ、先生として大切な仕事だなとも感じていました。
ボクにとっては
ティーチングよりコーチング
ティーチャーよりコーディネーター、ファシリテーター
としての役割の方が子どもたちの成長にとって価値があると感じています。
まとめ
以上、学習環境から学習内容の選択に至るまで今までの常識を疑いながら、子どもたちのよりより成長のために何ができるのかについて解説してきました。
まとめると
- 机の配置を変えて、一斉授業から脱却しよう
- 学び方を変えて、学びの責任を育てよう
- 学ぶ内容を変えて、学ぶ楽しさを感じさせよう
ということでした。
他にも学校には、昔ながらの常識に縛られているところがかなりあります。
その常識を一度疑ってみることが、子どもたちの学びをより良いものへと変えるヒントになるかもしれません。
最後までお読みいただきありがとうございました。
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