どうもガクせんです。
突然ですが質問です。
では、どうやったら無条件に子どもを信じることができるのでしょうか?
そこで、今回は、「子どもを信じる力」と題して、子どもを無条件に信じる方法について解説していきます。
今回の参考文献は、慶應義塾大学医学部小児科教授、高橋孝雄さんの著書「小児科医のぼくが伝えたい 最高の子育て」です。
おかあさんやおとうさんたちにできることは、たったひとつ。生まれてきてくれたわが子の底力を信じて、成長していく姿を楽しみに見守ること。たったそれだけでいい。
引用:高橋孝雄「小児科医のぼくが伝えたい最高の子育て」
本書の中でもこのように「信頼することの大切さ」について述べられています。
では、なぜそのようなことが言えるのかについて本書の言葉を借りながら詳しくみていきましょう。
先に結論を言ってしまうと
- 「遺伝である程度の能力は決まっているのだから、そんなに高望みせず、気楽に子育てを楽しもう。
- 必ず才能のシグナルが発せられる時がくるから信じて気長にまとう。
- 大切なのは「共感力」「意思決定力」「自己肯定感」
ということです。
- 子どもを信じる力が身に付く。
- 子育てが楽になる。
- 子どもとの関係がよくなる。
それでは詳しく解説していきます!
目次
能力や個性は親から受け継いでいる
本書では、「トンビがタカを産む」ことは遺伝的にはありえないと言われています。
その理由に
- 背の高さ
- お酒に強い弱い
- 運動が苦手
などは全てある程度遺伝子で決まっていて、予測することができるのです。
なので
というように、「親が子どもに期待をかけてあれこれと子どもに課す必要はありませんよ」ということです。
本書では、このように早いうちから色々子どもに課してしまう人をオーバーアチーバ(高すぎる理想)や「後で後悔したくない症候群」と呼んでいます。
それよりも、本当に親が願っていることは「子どもに幸せに生きてほしい」という原点に立ち戻り、情報に振り回されることなく今の幸せに焦点を当てていくとが大切になります。
才能のシグナルをしっかりキャッチせよ
どんな子どもでも、みんな、才能のシグナルを発信しています。
〜略〜
知っておいてもらいたいことがあります。それはどんな子どもにも、必ず際立ったところ、取り柄があるということです。あたりまえのことですが、自分の子どものことになると、そこがなかなか見えなくなってしまう。それでも探せばなにかあるはずです。つらい思いをしているお友だちのために涙を流し、誰かにうれしいことがあったときには自分のことのように喜べる。もしもそんな小学生がいたら、それは素晴らしい才能だと思いませんか。
引用:高橋孝雄「小児科医のぼくが伝えたい最高の子育て」
この「才能のシグナル」という言葉を知っておくことはとても大切です。
道端に咲いている花に気がつかないのと同じように、私たち大人は「子どもの才能のシグナル」を見落としているのです。
「駅までの道中でどのくらいのお花を見つけられるかな」と意識するだけで、たくさんの花を見つけられるように、「相手の才能の芽を見つけよう」と少しでもアンテナを張って子どもと接するだけで意外と今まで気がつかなかったその子の才能(良さ)が見えてきます。
「才能」というと人並外れた能力という印象をもっている人が多いと思いますが、「部屋に入った後、ドアをちゃんと閉めている」「友達に笑顔であいさつしている」「外で元気に体を動かしている」などどんな些細なことでもそれはその子の才能です。
また、「足が速い」「絵がうまい」など他人との比較の中で見えやすい才能は、本人も自分の才能を自覚しやすいのですが、ほとんどの子の才能は、本人にとって当たり前の中にあるので自分の才能に気づいていない子がほとんどです。
「いつも笑顔ですてきだね」「思ったらすぐ行動に移せるところがいいね」など子どもの才能(良さ)を大人が伝え、気づかせてあげることも重要になります。
そんな、自分の良さに気づけた子どもは自分のことを好きになり、自信をもって生きていくことができます。
才能を花開かせる方法について具体的にこれをしなさい、ということではないのですが本書では、
才能を花開かせるコツがあるとしたら、タイミングを逃さず、かまわず前に出ること。子どもが自分でやりたいことを見つけるまでそっと応援していくために、そのときがきたら子どもの才能に気づいてあげられるように、親は心をやわらかくしておきたいですね。
引用:高橋孝雄「小児科医のぼくが伝えたい最高の子育て」
と書かれています。
つまり、「子どもが目を輝かせてイキイキとする瞬間を逃すな」「もしその瞬間をキャッチできたら全力でサポートせよ」ということです。
一人ひとりにちゃんと遺伝子の描くシナリオがあり、才能はいつ花開くかは誰も分からないのです。
ボクみたいにすっごい遅い人もいるし「そのうちくるから大丈夫」という楽な気持ちで子どもと「今という時間」を楽しく前向きに過ごしていくのがいいですね。
大切なのは「共感力」「意思決定力」「自己肯定感」
そこで、本書では、「親が心がけたい、子育てにいちばん大切なこと」として
- 共感力
- 意思決定力
- 自己肯定感
があげられています。
この三つの力が子どもを幸せに導いてれるのです。
一つひとつ解説していきますね。
共感力
共感力とは、簡単にいうと「誰かの気持ちに寄り添えること」です。
子どもに共感力をもってほしいと思うなら、まずは大人が子どもに共感することです。心から。
〜略〜
大人の悪い癖で、子どもの行動を大人の尺度で批評しがちです。子どもたちが求めているのは批評や常識ではないのです。子どもに寄り添った言葉がけが、共感力を育むことを知っておいてください。
引用:高橋孝雄「小児科医のぼくが伝えたい最高の子育て」
つまり、子どもが、転んで膝を擦りむき、「痛い、痛い」と泣き叫んでいるとき、大人はついつい「そんなことで泣かないの」「痛くない、痛くない」と大人の価値観を押し付けてしまいます。
そうではなく、「痛かったね」と子どもの気持ちにそのまま寄り添うことが大切なのです。
そのように共感してもらえた子どもは自分の共感力も育ちます。
意思決定力
自分の意思で決められること。それは何より幸せなことだと思います。子どもたちへのいちばん大切なメッセージは「君の意思は守られている」という保証なのです。
引用:高橋孝雄「小児科医のぼくが伝えたい最高の子育て」
大人の目線で見ていると、どうしても子どもの判断は危なっかしかったり、完全に失敗するのが見えてしまったりして任せることができません。
この時、大人の中には、「失敗をさせてはいけない」という思考が優先されているため、「それでは絶対失敗するからダメ」と子どもの判断を却下してしまいます。
もちろん、命に関わるような決断であったり、人に多大なる迷惑をかけてしまうような決断の際は、大人が介入する必要があります。
しかし、失敗しても大きな損失がない場合は、子どもの判断を尊重しましょう。
そのことで、子どもの中に「自分の意思は大切にされている」という感覚が育ちます。
また、自分の意思で下した決断の結果は直接自分の責任として返ってきます。成功したときの喜びも大きいです。
責任をどう受け止め、付き合っていくかを学ことは「失敗しないこと」より何倍も価値があることです。
自己肯定感
「自己肯定感」は、遺伝子が責任をもってすべての子どもたちにあたえた、天性のチカラです。
引用:高橋孝雄「小児科医のぼくが伝えたい最高の子育て」
「生まれつきもっている力である自己肯定感」
では、なぜ今の日本人は自己肯定感が低いと言われているのでしょうか。
それは、大人やまわりの子どもたちに、否定され、けなされる・・・。
そんな状況が長く続くからです。
ことによって自己肯定感が知らずしらずに崩れてしまったり、失われてしまったりするのです。
例えば、子どものもった夢に対して、大人が「そんなの無理に決まっている」と否定したり、しつけという名の元に頭ごなしに叱ったりすることがそれです。
ボク自信、小学生から野球を始めたのですが、中学のクラブチームでの指導の中で、自己肯定感をズタボロにされ、半ノイローゼ気味になった経験があります。
今では、その経験を「ボクのような自己肯定感を叩き壊されるような経験を子どもたちにさせてはいけない」という使命感につなげることができました。
しかし、未だに夢の中に出てくるなどあの時の辛かった経験を完全には乗り越えられていない自分もいます。
ただ、その時の指導者が根っからの悪人だったというわけではなく、自己肯定感の存在や重要性を知らなかっただけなのだと思います。
「しごけば伸びる」という何の根拠もない根性論が信じられていた時代がそうさせたのでしょう。
だからこそ、ボクは「正しい知識を多くの人に知ってほしい、そして子どもたちに幸せな人生を歩んでほしい」と願い、微々たる力ですが、このように情報を発信しているのです。
他人とくらべない、こまめにほめる。それが、自己肯定感を伸ばす基本です。
引用:高橋孝雄「小児科医のぼくが伝えたい最高の子育て」
例えば、「○○君はできているのに、なんであなたはできないの?」「○○ちゃんを見習いなさい」といった、他人と比べる発言はよく耳にするのではないでしょうか。
このような言葉は、「子どもにできるようになってほしい」という親心なのですが、このような言葉が子どもの自己肯定感を著しく下げてしまいます。
人間は、本能的に、物の価値を他のものとの比較の中で決めながら生きているので、まわりの子を見ていると反射的に自分の子と比べてしまうのはしかたなのないことです。
ですが、そのような時は「うちの子はうちの子」「自分らしく幸せに生きてくれればいい」というように考え、決して他人と比較するようなことを口には出さなければいいのです。
また、それとは逆に、少しでもその子の良いところを見つけた時はどんどん口に出しちゃいましょう!
「頑張ったね!」「ナイス!」など幼い時からプラスの言葉をたくさん浴びた子は本当に強いです。
学級崩壊建て直し請負人として知られる菊池省三先生は、このことを「褒め言葉のシャワー」と呼び、日常に取り入れることを推奨しています。
プラスの言葉は心の栄養だと思って惜しみなく与えましょう。
また否定語を肯定語に変えることもコツです。
例えば、
「走るな」→「歩こう」
「しゃべるな」→「静かにしよう」
などがそれです。
レジリエンス(打たれ強さ)やグリッド(ねばり強さ)という言葉をよく耳にするようになりましたが、このような非認知的能力(テストでは測れない力)というものは全て「自己肯定感」(自分のことが好きという気持ち)に支えられています。
ぜひ「自己肯定感」を育てるということを意識しながら子どもたちと接していきましょう。
まとめ
「子どもを信じる力」ということについて解説してきましたが、いかがだったでしょうか。
まとめると
- 「遺伝である程度の能力は決まっているのだから、そんなに高望みせず、気楽に子育てを楽しもう。
- 必ず才能のシグナルが発せられる時がくるから信じて気長にまとう
- 大切なのは「共感力」「意思決定力」「自己肯定感」
ということでした。
今回の参考文献「小児科医のぼくが伝えたい最高の子育て」でも述べられていましたが、何よりも子どもと関わる親や先生が自分の「自己肯定感」を育て、幸せな気分で子どもと接することが子どもの「自己肯定感」を育てます。
自分が幸せではなければ、人を幸せにすることなどできないですよね。
子どもの健全な成長のためにお互い頑張っていきましょう!
最後までお読みいただきありがとうございました。
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